◆第005位 『未来への10カウント』

 評価:080/脚本:福田靖/テレ朝/木曜21時/出演:木村拓哉・満島ひかり/全9話/平均視聴率:10.9%

 

 高校時代、四冠を制覇し、オリンピック強化選手のアマチュア・ボクサーが、網膜剝離のため、ボクシングを諦め、その後、不幸が続き、自棄的な生き方を送っていたが、母校のボクシング部のコーチに就任し、自分の人生を取り戻す、木村拓哉の主演ドラマ。

 主人公の桐沢祥吾を演じるのは、木村拓哉。

 高校四冠の天才ボクサーであったが、ボクシングを諦めた後、高校の政治経済の教師をしていたが、最愛の妻に先立たれ、教師を辞めてしまう。

 その後、自分の焼鳥屋を持つまでになったが、コロナ禍で、倒産してしまう。

 高校時代のボクシング部のコーチ、芦屋に頼まれて、後任として、松葉台高校ボクシング部のコーチとなる。

 ボクシングの才能は、健在で、ボクシング部の生徒達と向き合う内に、自分自身を取り戻し、生徒達に情熱的にボクシングを教えるようになる。

 松葉台高校ボクシング部の顧問、折原葵を演じるのは、満島ひかり。

 シングルマザーで、八歳の息子の圭太がいる。

 ボクシングを知らず、興味がなかったため、不本意に顧問を引き受けるが、桐沢のコーチ就任と共に、ボクシングを好きになり、生徒達を応援する。

 同時に、自分を取り戻す、桐沢に惹かれていき、最終回のラストシーンでは、結婚したかの様な描写になっている。

 松葉台高校時代、桐沢と共にボクシング部に所属し、後に日本フェザー級チャンピョンとなった、甲斐誠一郎を演じるのは、安田顕。

 桐沢の親友で、「甲斐ボクシング部」を経営している。

 桐沢と甲斐の高校時代のボクシング部のコーチ、芦屋賢三を演じるのは、柄本明。

 甲斐と柄本は、桐沢の自棄的生き方を心配し、桐沢を芦屋の後任のコーチにした。

 松葉台高校の校長、大場麻琴を演じるのは、内田有紀。

 芦屋賢三の娘で、桐沢の一学年下。

 高校時代は、ボクシング部のマネージャーで、桐沢に告白したが、「コーチの娘と付き合えない」とフラれている。

 松葉台高校の全国有数の進学校にした、敏腕校長。

 物語前半は、ボクシング部を潰そうとし、桐沢を辞めさせようとするが、最終的には、ボクシング部を応援するようになる。

 松葉台高校ボクシング部の三年生、伊庭海斗を演じるのは、King & Princeの高橋海人。

 芦屋の老齢のため、コーチ不在となり、自主トレーニングのみであったため、実戦経験が、皆無である。

 インターハイ後、後輩達を応援すると同時に、最終的に、東大に合格する。

 第五話から登場する、転校生の一年、西条桃介を演じるのは、村上虹郎。

 ボクシング経験は、中学一年生からで、才能があるため、態度が大きい。

 しかし、脳内に動脈瘤があることが判明し、桐沢と同様、ボクシングを諦めざるを得なくなる。

 苦悩の末、ボクシング部に復帰し、他の部員の練習パートナーになる等、ボクシング部員達をサポートする。

 物語の序盤は、不幸続きの桐沢は、投げやりな生き方のため、「キムタク」らしくはない。

 しかし、ボクシング部のコーチに就任後、人生を取り戻すと、終盤には、決めポーズ等、完全に「キムタク」に戻っている。

 最終的に、「何を演じても、キムタク」になるが、それでも、飽きさせず、面白いのは、「キムタク」が、「偉大なるマンネリ」として、魅力的なタレントの証明と言える。