映画『魔女の香水』を観賞しました! 〜女性のサクセス・ストーリーまたは桜井日奈子養成映画〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

映画『魔女の香水』を観賞しました。

TOHOシネマズ 西宮OSです。

阪急の西宮北口駅にある「西宮ガーデンズ」の5階。

 

 

 

シンプルなストーリーのビルドゥングスロマン(教養小説、若者が成長していく物語)という感じの、爽やかな映画でした。ご都合主義的な設定や説教臭いところがあるのが気にならないでもないですが😅メッセージは明確で分かりやすい。自信のないひとにオススメな映画だと思います。

 

黒木瞳さんが、本当に魔女。

ピュアな婦人とミステリアスな老婦人の女性をやすやすと演じておられて堂々たるものでした。

さすがです。

人間離れしていました。

 

その魔女さんの魔力を受けたのか、桜井日奈子さんの演技も素晴らしかった。

年齢幅も感情の振り幅も感じさせないひとりの女性の演技に探究心が感じられて好感が持てました。

何というか、結果として桜井日奈子養成映画となったような。

 

シーンごとに香水を使い分けるのはとてもおしゃれだと思いました。服のように香りも「纏う」ものなんですね。

日本の場合、落語家のお囃子みたいにアイデンティティーを補強するものとして香りを利用しているように思います。

物語を読むように香水を使えたらどんなに豊かな人生になるだろうと憧れてしまいました。

 

映像の美しさ、ライフスタイルの美しさを追求しているところに、宮武監督や菅原氏はじめ製作陣の意欲が感じられて、よかった。

 

自分に降りかかる運命のことは考えない方がいいのかも、だいたい、それは運命が考えることだから、と思いました。自分がやりたいこと、やらなければならないことだけに集中していればいい、と。

 

私事ですが、東京システムエンジニアで働いていた頃、渋谷の名曲喫茶『ライオン』に何度も行ったことがあるので、懐かしかった。ただわたしの頃はもっと暗くておどろおどろしかった、建物全体が楽器みたいに震えて。

ここでバラキレフの『イスラメイ』というピアノ曲を初めて聴いたのでした。

 

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以下、「わたしが監督だったら」の妄想メモです。

 

●恵麻は香りの研究はものすごく熱心ですが、経営については天性の才能持ち主みたいな感じがします。経営の極意について、もう少し丁寧に描写して欲しかったです。エメラルド倶楽部や商工会議所に通い詰めたのでしょうか😅

 

●合成香料のことに触れてほしかった。現代の香水は合成香料がないと作れません。劇中のゲランの『夜間飛行』もカストリウム(ビーバーの香嚢から採れる独特な匂いで、今は合成香料が主流)が使われています。

 

●ラストシーンとラスト前のシーンを入れ替えてもよかったように思います。

9番目の香水の残りの1%の秘密が見つかって(チョコレートとサフラン!)人生の大きな節目を迎えた魔女さん(弥生)が、新しい客に声をかける(大写しになる)

恵麻が階段で母子とすれ違い、階段を登りきったところで胸いっぱいにキンモクセイの香りを吸い込むーー香りの中に恋人の横山蓮を蘇らせるように。9番目の「愛」をテーマにした香水を超える10 番目の香水を作る使命を確かめるために。

 

後記

おっさんなのに「358」の香水を買ってしまいました😅

 

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