吉川隆弘ピアノリサイタル@ザ・フェニックスホール 〜後期ロマン派の音楽に心を蕩かされたマチネ〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

吉川隆弘ピアノリサイタル @あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール

ーー

主催・お問い合わせ

イプシロン・インターナショナル株式会社

TEL: 03-6421-8131 / Mail: office@ypsilon-i.com

後援

公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン / 世界の子供服 マ・メール / 公益財団法人 日伊協会

ーー

に行ってきました。

 

13時開場/13時半開演のマチネ(昼公演)です。

 

演奏曲目は次の通り。

19世紀後半に作曲された後期ロマン派の音楽を軸に構成されています。

 

ベートーヴェン:

ピアノソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」

 

ブラームス:

ピアノのための6つの小品 Op.118

 

シェーンベルク:

6つのピアノ小品 Op.19

 

 

(休憩 15分間)

 

リスト:

超絶技巧練習曲集第 11番「タベの調べ」

パガニーニ大練習曲第3番「ラ・カンパネッラ」

愛の夢-3つのノクターン

 

ワーグナー(リスト編曲):

イゾルデの愛の死

 

ーーー

 

ベートーヴェンの「テンペスト」ソナタは、冒頭のアルペジオが何とも印象的で説得力がありました。嵐の風圧や色、匂いまで感じるような。第2楽章の歌心、第3楽章の女性的な澄んだ陰影も見事。倍音の響かせ方が泣かせます。

 

後期ロマン派ーー19世紀的な過剰な香りとコクがたっぷりの、豊かな時間を楽しませてもらいました。

ブラームスの「6つの小品」、第2曲の「アンダンテ・テネラメンテ」が特に有名ですが、世紀末芸術的な陶然(蕩然、か)とさせる美しさでした。作曲されたのが1893年。納得です。

ブラームス の晩年の作品は、音符が多いのに静けさを求めるような、矛盾した、そして高度な音楽的課題を演奏者に要求するところがありますが、吉川さんは(もちろん)難なくクリア。安心感があります。

 

シェーンベルクの「6つのピアノ小品」はわたしの好きな曲なので、まず取り上げてくれただけでもうれしかったです。

シンプルなのに高度というところが大好き。

そしてその演奏たるや、模範演奏の域に達していました。作曲家に聞かせたくなるような。

 

パガニーニ大練習曲第3番「ラ・カンパネッラ」の疾走と愛の夢第3番のピアニッシモの素晴らしさは言うまでもないですが、超絶技巧練習曲の「タベの調べ」の演奏には、リストがベートーヴェンの直系の弟子であることを思い出させました。

 

最後の「イゾルデの愛の死」。圧巻。これは実際に聞いてもらった方がいい。

原曲を聞いているような迫力!

 

毎度、素晴らしい演奏をありがとうございました! よかった!

 

※照明の演出が面白かったです。