「和のダーツ」投扇興(とうせんきょう)にチャレンジ! 〜京扇子の老舗・白竹堂 京都本店〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

京都の老舗の扇子屋さん 白竹堂 京都本店さんで

 

投扇興(とうせんきょう)体験 

 

に参加しました。

投扇興体験は京都本店のみで、事前予約制です(2名から4名まで)。

時間は1時間程度で料金は税込2500円。

 

ーーーー

(白竹堂京都本店のサイトより引用)

投扇興(とうせんきょう)体験

 

京都の伝統的なお座敷遊び「投扇興(とうせんきょう)」を体験していただけます。専用の扇を「蝶」と呼ばれる的(まと)めがけて投げ、扇と蝶の位置・形で得点が決まります。お二人で両側から交互に投げる対戦形式のお遊びです。2名様よりご予約いただけます。

「投扇興」とはどういった遊びなのかを知って頂く為、

誰にでも楽しんで頂ける簡単な体験となっております。

気軽にお申し込みくださいませ。

 

投扇興参考動画

 

料金    2,500円(税込)/ 人

体験時間    1時間程度

人数    2~4名様でご利用いただけます。

ーーーー

 

店内に設えてある投扇興体験スペースは、なんとも雅な世界でした。


「投扇興」は文字通り「扇子を投げる遊び」。

扇子を使ったダーツです。

江戸時代の安永二年 (1773) の頃に京都で生まれた「和のダーツ」。

 

その道具は・・・

 

●蝶(的)

「蝶」とも呼ばれる、投扇興の的です。

※イチョウの両脇に豆鈴をつけて垂らしているバージョンもあります。

 

●枕(的台)

「枕」と呼ばれる、「蝶」(的)を置く台です。

もとは木枕を使っていたようです。

材質は桐が多い。

扇子が当たったときにできる小さな傷があちこちについているのも、味があっていい。

 

●扇子

軽くするために扇の骨を少なくした投扇興用の扇子です。

生活用具として使えないこともないでしょうが、骨が10本しかないから風は弱いです。

(骨の数が多いほど強い風を送れる)

 

●銘定表(投扇興の点数表)

投扇興の点数表「銘定表(めいていひょう)」です。

なぜ「銘定表」と言うのかは後述します。

 

 

そして、白竹堂さんの投扇興体験では、ゲームの後に

 

●投扇興体験で使用した扇子(投扇興用)

●銘定表(投扇興の得点表)

●投扇興のスコアカード(試合記録)

 

おみやげでもらえます。

これはうれしい!

 

外部サイトですが、投扇興の遊び方の動画を見つけたので紹介します。

この動画、面白いです。

※この動画の「蝶」には、両脇に豆鈴という小さな鈴がついています。

 

投扇興体験の流れは

 

遊び方のミニレクチャー→扇子を投げる練習タイム→投扇興

 

です。

 

4ゲーム行います。

1ゲームで10回扇子を投げるので、延べ40回扇子を投げられます。

 

めちゃくちゃ面白かったです。結果は2勝1敗1分の大熱戦。

扇子を投げるのが意外と難しいんです。普通投げませんからね。扇子。

でも難しい分、燃えます!

自分が今何投目なのか分からなくなって、審判役の店員さんに何度も確認したほどです。

 

「蝶」に当てるこつとしては、

「蝶」の帯(いちょう型の的の軸ーー写真のオレンジ色の部分)を狙うことと、

力を入れないで紙飛行機を飛ばすような感じでフワッと扇子を投げること、

でしょうか。

あと、集中力ですね。

 

投扇興の点数は、扇子を投げた後のパターンによっていろいろあり、

それぞれのパターンに、『源氏物語』の帖の名前からとった「銘」がついています。

「須磨」「明石」「蓬生」「夕霧」「花散里」「野分」「関屋」「末摘花」「夢浮橋」・・・

「銘」を「定」める(同定させる)ことで点数が決まるので、投扇興の得点表は「銘定表」と呼ばれます。

(白竹堂さんでは得点表と書いてありますが)

 

ハズレは「手習」。無点(0点)です。

 

枕に当ててしまった「手習」は「こつん」と言って何とー2点。

 

銘定表のイラストを見ながら手で再現しようとしてもできず、

審判役の店員さんに

「こんなパターン本当にできるんですか?」

と思わず問い詰めてしまったのが「夢浮橋(ゆめのうきはし)」。

なんと100点!! 

死ぬまでに一度は見てみたい!!

ちなみに店員さんも「夢浮橋」は見たことがないそうです。

 

スロースポーツやレクリエーションとして、投扇興を是非とも流行らせたい!

どうも「お座敷遊び」というのか、敷居の高いイメージがあるので・・・

 

ちなみに、なぜ投扇興が廃れたかについてわたしの仮説を。

 

江戸時代の安永年間に投扇興が生まれるのですが、

それによる賭け事が横行して社会問題になり、幕府が禁止令を出したそうです。

●かつて賭博にもなったゲームはどうしても敬遠されがち。

たとえばオイチョカブバカラそのものに罪はありませんが(ただのカードゲームなんで)、

アイドルや就活生のプロフィールの趣味欄に「オイチョカブ」「バカラ」と書いてあったらどうか?

 

それでも、1894年(明治27年)に刊行された実用百科事典『明治節用大全』には、

明治二十年代、投扇興の道具はおもちゃ屋さんで買えるとあり、

少なくともその頃にはリバイバルしていたようです。

 

それなのに投扇興が廃れてしまった理由ーー

●投扇興の道具を作る職人さんがいなくなってしまった。

●投扇興の道具は手作り(少量生産)なのでどうしても割高になってしまう。

(わたしが古い人間ということもありますが、

「枕」や「蝶」がプラスチック製だと盛り上がらないのではないかと思います)

●投扇興はランニングコスト(扇子代)もかかる。

(遊んでいるうちに扇子はボロボロになります。安い扇子でも1本1000円くらいでしょうか……)

 

あたりではないかと思います。

 

でも、先に「お座敷遊びで残っている程度」と書きましたが、

実際は投扇興の保存会もあって普及活動をされているようです。

たとえば関西には、

美扇流(びせんりゅう)」( シテ方 観世流 能楽師の藤井丈雄さんが家元)

などがあります。

東京にもいくつかあります。

ネットで見る限り、東京の方が盛んな感じです。

 

ともあれ、

アナログのスロースポーツ、屋内ゲームとして、

またみんなで楽しい時間を過ごすためのコミュニケーションツールとして、

投扇興をおすすめします!

 

白竹堂京都本店さん、ありがとうございました!

とても楽しかったです!

 

富岡鉄斎の書があったのにびっくり。

白竹堂さんの創業は享保3年(1718)、300年以上続く京扇子の老舗ですが、

「白竹堂」の屋号をつけたのは富岡鉄斎だそうです。すごい!

 

 

店内は美術館みたいです。本当。

 

【余談】白竹堂 京都本店では「京扇子絵付け体験」もやっています。_

(事前予約制、絵付けは1時間程度/扇子になって届くのは1ヶ月後くらい。税込2500円)

絵心のある方、自作の扇子が欲しい方はぜひ!

ーーー

(白竹堂京都本店のサイトより引用)

京扇子絵付け体験

 

ご自身で描(書)かれた絵や文字を扇子にすることが出来ます。扇子専用和紙に直接お描(書)き頂いてお預かりし、職人が丁寧に仕上げます。お客様のお手元には約1ヶ月後にお届けいたします。

 

料金    2,500円(税込)から / 人

体験時間    1時間程度

人数    団体のお客様はご相談ください。

ーーー