HEMMI計算尺No.45K (20cm、中学生用モデル)で「1729.03の立方根」を計算! | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

HEMMI計算尺のお話 その2です。

(その1 は「HEMMI計算尺 No.2664S & No.45Kをゲット! 〜零戦も東京タワーも新幹線も〜」

 

HEMMI No.45Kは

20cmの中学生用モデルです(本体は23cmあります)

 

スタンダードモデル(事務・技術用モデル)のNo.2664S と並べてみると、

かわいらしいコンパクトな作りです。

 

 

コンパクトながら、指数・対数や三角関数も計算できます。

 

 

「1729.03の立方根」と「tan78゚」を計算してみました。

 

●1729.03の立方根

1729.03=1.72903*(10^3)を利用します。

 

K尺の1.729にカーソル(赤線)を合わせ、D尺の値を読むと・・・

ということで、

1729.03の立方根、

計算尺だと12.00です。(1.200*10)

電卓で計算すると、12.0023837857なので、さすが、の精度です。

 

実はこの「1729.03の立方根」、

 

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(下)

( 大貫昌子 訳、岩波現代文庫)

 

に収められたエッセイ「ラッキー・ナンバー」に登場する数字なのです。

ファインマンがブラジルのレストランで食事をとっていると、

そろばんの名手の日本人が入ってきて、計算スピードの比べっこをすることになってしまった。

 

極めつけの問題が、そろばんの名手の日本人が出した「1729.03の立方根」。

ファインマンは「近似」の概念を利用して、(あと、たまたま12^3=1728を知っていた偶然も手伝って)

日本人がやっとの思いで「12.0」と小数点第1位まで計算したとき、

すでに小数点第5位まで計算してしまった・・・

 

そろばんでなくて計算尺だったら、暗算マニアのファインマンに勝てていたかもしれませんね。

 

 

●tan78゚

 

まず、tan12°を求めます。(「なぜ?」かは後でご説明します)

計算尺をひっくり返してTI尺を「12」度にセット。

 

そのまま裏返すと、C尺にtan12°の10倍の値が示されます。

(すごい仕様!)

よって、tan12° = 0.212です。

(※C尺の目盛りの2.12を10で割ると得られます)

 

ここで

 

★tan(90°-θ)= 1/tanθ 

 

の公式を利用します。

 

tan78° =tan(90°-12°)= 1/tan12° = 1/0.212

 

1/0.212を計算します。割り算です。

D尺の目盛りを読むと4.71。

 

ということで、

tan78゚は

計算尺だと4.71です。(D尺)

電卓で計算すると、4.7046301095なので、やはり、さすが、の精度です。

 

それにしても

 

★tan(90°-θ)= 1/tanθ 

 

の公式をすっかり忘れておりました……面目ございません……

 

この関係式のおかげで、0° 〜 45° までのtanが求まれば、

90° まで、もっと言えば全ての角度のtanが求まります。

 

そういうわけで、tanを計算するTI尺の目盛りは45° までになっています。

本当によくできています、HEMMIの計算尺!

 

気づいたら大好きになってしまいました。