神戸国際松竹に行ってきました。
見てよかった。
最後の「静粛練習」が感動的でした。
車座になった子供たちが、ベルが鳴らないように集中して次の子に渡していくところがとても良かった。
プログラムで一番印象に残った説明は、
子どもを、「空のバケツ」ではなく、「球根」だとみなすのがモンテッソーリ教育の特徴だという説明です。
空のバケツだから、いろんな物を詰め込んで満たしてあげないといけないーーどうしても「育てる」になる。
球根だったら、水と日光さえ切らさなければ、自然と「育って」いく。
実際、子どもたちは自然と育ち、学んでいく。
必要以上に教えたり、間違いを指摘したりする必要はありません。
あとは、育つのに必要な物が何か、その内容とタイミングを観察して見極めるだけです。
これがいちばん難しいことなのですが。
他にもいろんな気づきがありましたが、ここでは2点だけ。
新しく年少の子たちが入ってきたとき、
年中や年長の子に先生が言います。
「あなたのやったことを、彼らは真似します」
これだけです。
「ああしろ」「こうしろ」「こうすべからず」と具体的には言わない。
どうすればいいかは子どもたちに考えてもらう。
こうして責任感を育んでいく。
(先ほど挙げた静粛練習も、子どもたちの責任感の醸成を期待しているのかもしれません)
すごいなあ、と感心する一方で、
そういえば中国の古典『旧唐書』に
「上行下効(じょうこうかこう)」、
上行(おこな)えば下効(なら)うーー上の者が行うと、下の者がそれを見習うーーという言葉があったと
思い出しました。
あと、
「身のまわりのことから学んでいく子は差別をしない」というのも印象的で、
そう言えば今の日本の学校英語は本当に身のまわりのことを英語でどう言うかを学びません。
国際的とか、外交官とか、レゾンデートルといった抽象的で難しい単語は習うのに、
「ごめんなさい膝が痛くて(悪くて)正座ができないんです。椅子に座っていいですか」
「目覚まし時計を7時にセットしてから寝なさい」
「ただいま」
「洗剤と柔軟剤買ってきて」
を英訳しろという問題が出てくると、うっ、と身構えてしまう。
だから海外のひとたちに不寛容な日本人が多いのかな、と思ってしまうほどです。
映画館の隣にあるトゥーストゥースでケーキセットをいただきました。
ピスタチオのタルト、ごちそうさまでした。
アーモンドとバニラのフレーバーの紅茶も美味しかったです。