国立文楽劇場・初春文楽公演に行ってきました! 〜『冥途の飛脚』&『壇浦兜軍記』〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

国立文楽劇場@大阪・日本橋へ、初春文楽公演を見に行きました。

第一部と第二部があり、わたしが見たのは第二部です。

国立文楽劇場主催公演

初春文楽公演
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公演期間    2019年1月3日(木)~2019年1月25日(金)
開演時間  (第2部) 午後4時


近松門左衛門=作
冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
 淡路町の段
 封印切の段
 道行相合かご

壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
 阿古屋琴責の段

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どちらも見応え十分でした。

特に後半の「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋琴責の段」で

落ち武者(下手人)景清の恋人である阿古屋(あこや)が

取り調べの場で、琴、三味線、胡弓を演奏するところは見事でした。

阿古屋を操る人形遣いと三味線(実際に演奏するひと)の息がピッタリで、

本当に人形そのものが弾いているように見えました。

 

さらに見事なのは、

阿古屋の証言にウソはないか見極めている裁判官の秩父庄司重忠の動きです。

これがまた、どこか父が娘を見守るようなあたたかい感じもあって、

人形にそこまで表情の変化をつけられるのかと驚かされました。

 

前半の「冥途の飛脚」は

恋人を身請けするために公金を横領する、亀屋忠兵衛というダメンズと、

その恋人で遊女の梅川(うめかわ)の心中物語ですが、

忠兵衛と梅川のやりとりを見ているうちに

織田作之助の「夫婦善哉」を思い出していました。

ダメな男を、しっかり者の女が支えてくれるーー

男性側から見れば理想の境遇です。

男の虫のいい妄想の極致と言ってもいい作品ではないかと思います。

女性にしたらたまったものではないでしょうが。

 

素晴らしい芸に触れ、幸せな一日を過ごさせていただきました。

ありがとうございます。