西宮市プレラホールへ、
に行ってきました。
主催: 西宮市プレラホール 西宮地域創生共同体
共催: 西宮市
制作: イプシロン・インターナショナル株式会社
です。
【プログラム】
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2 『月光』
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」より 第7曲 ダンテを読んで : ソナタ風幻想曲
(休憩 15分間)
リスト:巡礼の年第3年より 第4曲 エステ荘の噴水
ラヴェル:夜のガスパール
【アンコール】
ラヴェル:水の戯れ
ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
リスト:『パガニーニによる大練習曲』第3番 嬰ト短調 S. 141−3「ラ・カンパネラ(ラ・カンパネッラ)」
CDも買いました。
リスト名曲集のCDにはサインをしていただきました。
ベートーヴェンのCDと・・・
フランスの20世紀のクラリネットとピアノのための作品集のCDも。
クラリネットはファブリツィオ・メローニ、
ミラノ・スカラ座管弦楽団の首席クラリネット奏者です。
レーベルは、
「クラシック音楽界の『帝王』」カラヤンの録音で有名なドイツ・グラモフォン!
今回のプログラムは、
選曲・演奏順まで、非常に練られていました。
すべての曲に緊密な関係があり、音楽史的連続性まで持たせているのです。
19世紀を生きたリストが
音楽史において前後の時代のブリッジ(橋渡し役)になっていることがよく分かります。
ベートーヴェンの「月光」=「幻想曲風ソナタ」
★ロマン派音楽の要素のある古典派音楽
リストの「ダンテを読んで」=「ソナタ風幻想曲」
★古典派音楽の要素のあるロマン派音楽
ーーー
リストの「エステ荘の噴水」=>「アルペジオとトレモロ」
★近・現代(印象派)音楽の要素のあるロマン派音楽
ラヴェルの「夜のガスパール」=>「アルペジオとトレモロ(高速の連打)」
★ロマン派音楽の要素のある近・現代(印象派)音楽
さらに・・・
ラヴェルの「夜のガスパール」は
形式面からは古典的なピアノ・ソナタとして見ることもでき、
(「オンディーヌ」ソナタ楽章―「絞首台」緩徐楽章―「スカルボ」ロンド楽章)
そう見れば、
プログラムの冒頭、古典的なピアノ・ソナタであるベートーヴェンの「月光」へと還っていく・・・
見事な、音楽のウロボロス(円環)です。
聴く者を圧倒させる華麗なテクニックはいつものことで、
フレージング(歌わせ方)、
各声部間のバランス、
ペダリング(響きの作り方)、
アーティキュレーション(強弱法、スラー、スタッカート、レガート)など、
(今回は特に、
休符やフェルマータの処理ーー「間」の作り方ーーに創意を感じました)
すべてがユニーク、
これぞ「ヨシカワ・トーン」! と言うべき音楽世界を構築していました。
「かもし出す、漂わせる」と言うより、「構築する」。
多分に建築を思わせる解釈で、音のアーキテクト(建築設計者)という感じです。
個人的に、ラヴェルの「夜のガスパール」が特に印象に残りました。
神秘的でスリリング。とてもよかった。
ありがとうございました。
※プログラムに「夜のガスパール」の3曲
(「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」)のもとになった
フランスの詩人、ベルトラン(1807−1841)の同名の詩の訳がついていて、
曲の理解の助けになったことをつけ加えておきます。