クラーナハ展/ピエール・アレシンスキー展@国立国際美術館(大阪・中之島)に行きました | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

事後報告。
大阪・中之島にある国立国際美術館
 
クラーナハ展―500年後の誘惑
2017年1月28日(土)―4月16日(日)
 
を見に行きました。
 

ドイツ・ルネサンスを代表する画家ルカス・クラーナハ(父、1472~1553年)の芸術の全貌を紹介する、日本で初めての機会です。ヴィーナスやサロメなど、物語上の女性たちを特異なエロティシズムとともに描き、後世の芸術家たちにも影響を与えた「誘惑するイメージ」の数々が、約100点の作品を通して浮かびあがってくるでしょう。
ーーー
ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を開設して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。
日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場となるはずです。

会期 2017年1月28日(土)~ 4月16日(日)
会場 国立国際美術館 〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-55
開館時間 午前10時 ~ 午後5時(金曜日は午後7時) ※入場は閉館の30分前まで
休館日 月曜日、3/20(月・祝)は開館、翌日(3/21)は休館
主催 国立国際美術館、ウィーン美術史美術館、TBS、MBS、朝日新聞社
後援 外務省、オーストリア大使館
特別協賛 大和ハウス工業
協賛 大日本印刷
協力 オーストリア航空、ルフトハンザ カーゴ AG、ルフトハンザ ドイツ航空、アリタリア―イタリア航空、日本航空、日本通運、ダイキン工業現代美術振興財団
ーーー
あわせて
とろえぬ情熱、走る筆。 ピエール・アレシンスキー展
会期: 2017年1月28日(土)―4月9日(日) 
 
も。
 
同じく、美術館のサイトから。

ピエール・アレシンスキー(1927年生まれ)はベルギーに生まれ、第2次大戦後、ベルギー、オランダ、デンマークの若い作家たちが結成した前衛芸術グループ「コブラ」に参加して本格的な作家活動を始めました。「コブラ」の作家たちは、子供の絵などに触発され、主義主張に捕らわれない自由を何よりも大切にして、それぞれのスタイルで制作を展開します。短い「コブラ」の活動のなかでアレシンスキーは、線の要素を主にした抽象的な絵画を自らの個性にして、間もなくパリで東洋の書道芸術を発見します。とりわけ体全体を使って床に置いた紙に墨で書く、当時湧き起った日本の前衛書道の奔放さに共感を覚え、1955年には来日して書家の森田子龍らと交流し、映画『日本の書』を作りました。日本滞在も刺激となり、生来の優れたデッサン力を生かしたアレシンスキーの絵画は、西欧の重厚な油彩画から抜け出し、墨、水彩、アクリル絵具などを用いて、軽快で自在な線描を軸に豊かな展開を見せてきました。コマ割りにした画面に海、樹、人間、怪物など、多彩な形を表しながら、画家が見、経験した世界のあらゆる側面が集められるとともに、その個性は、版画も交えた幾種もの技法を駆使して、いまなお限りない変奏をかなでています。
 90歳を迎えるアレシンスキーの奔放自在な筆の勢いは依然衰えることを知りません。ベルギーを代表し戦後のヨーロッパ絵画に大きな足跡を残すこの画家を、初期から最新の大作約80点をもって紹介する本展は、日本・ベルギー友好150周年を記念する日本で最初の大規模な回顧展です。

主催:国立国際美術館、毎日新聞社
後援:ベルギー大使館
協力:ヤマトロジスティクス株式会社、日本貨物航空株式会社、ダイキン工業現代美術振興財団
 
どちらも素晴らしかったです。
 
個人的に、歴史(世界史)の教科書に絶対載っている宗教改革(1517年)の立役者、マルティン・ルター(1483−1546)の肖像画を生で見られたのに感動しました。
生前、クラーナハとも親交があり、クラーナハの活躍した町で神学部の大学教授として教鞭をとったこともあって、「ルターシュタット(ルターの都市)・ヴィッテンベルク 」(Lutherstadt Wittenberg) と「ルター都市」を都市名に冠しているそうです。
 
しかし、クラーナハの魅力は、端正な顔と裸体を持つ女性の美しさにあると思います。
何よりも。
透明なヴェールを裸体にまとわせることで体のラインを強調し、見るひとを惹き付け、強く印象づけるーー独特の高度なテクニックです。
また、大変速筆だったそうで、類型的な構図の中に見せるスピード感も面白い。
モーツアルトの音楽に似ています。
 
◆◆
 
アレシンスキーは日本の前衛書道に影響され、文字や筆跡の瞬間瞬間をーー即興性、一回性を大切にした絵だと思いました。
 
何か伝えたいものがあるというより、絵を描いているアレシンスキー自身を伝えたいように感じます。
だから、絵の前に立つと、こちらに背中を向けて一心不乱に描いているアレシンスキーの姿が見えてくるような気がするのです。
制約を感じさせないのびのびした作風が、気に入りました。
お金があれば購入したい。お金があれば(1000万はするんだろうなあ・・・)。
 
どちらもおすすめです! 
梅田・大阪から結構歩きますが、見る値打ちは十分ありますよ!
 
【おまけ】