『田園』に涙 〜PACオーケストラ 第94回定期演奏会〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

事後報告。

 

兵庫芸術文化センター管弦楽団 2016-17シーズン
第94回定期演奏会
佐渡 裕「田園」

 

を聴きに行きました。

患者さまからチケットをいただきまして。(ありがとうございます)

 

 

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佐渡芸術監督が定期演奏会で「田園」交響曲に取り組むのは、意外にも今回が初めて。「真に信頼できるオーケストラと」という想いから温存してきた音楽が、PACと迎える11年目、今ここに解き放たれます! 長きにわたり日本のチェロ界を牽引してきた藤原真理は、PAC初登場。
 


【プログラム】
ドビュッシー:小組曲(H.ビュッセル編曲)
ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 「田園」

●ソリストアンコール曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード
●PACアンコール曲
シュトラウス2世:雷鳴と稲妻

 

【出演者】
指揮・芸術監督 佐渡 裕
チェロ 藤原 真理
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオーケストラ)

 

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9曲あるベートーヴェンの交響曲で、『田園』が一番好きなのですが、

プロの生演奏を聴くのは初めて。

 

第2楽章、第5楽章では涙が出ました。

 

どうしてこの曲に感動するんだろう?

 

演奏を聴いて、少し、分かりました。

 

ベートーヴェンはこの曲を自分の音楽家人生の集大成と位置づけていたーー技術的には新しい試みを惜しげもなく投入したーーからではないか。

 

毎回全力投球だった。

もうこの曲で最後、という覚悟で作曲していた。

 

耳が聞こえなくなって、音楽家としての人生が絶たれるかもしれないという不安は、わたしたちの想像を超えたものだったでしょう。

 

筆談でないとコミュニケーションがとれないほど耳が聞こえなくなった後も(骨伝導を利用して音を聞いていた、聞こえていたという説もあるようですが)ベートーヴェンは傑作を生み出し続けます。

しかしそれも「これで最後、この曲が絶筆」という覚悟なしでは不可能だったでしょう。

 

◆ ◆ ◆


マエストロが古典派を振るのは珍しい(ドビュッシーは現代だけれど古典派的な小編成のオーケストラ)なと思っていたら、アンコールが「雷鳴と稲妻」……期待を裏切らないですね、マエストロ。
アンコールで打楽器パートが3人入ってきた時点で「これは、やってくれるな」とわくわくしました。


ハイドンの第2チェロ協奏曲はもちろんですが、アンコールのバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」のプレリュードもとても良かったです。
 

ありがとうございました。

わたしも「きょうが最後」の覚悟で臨床に立ちます。