事後報告。
兵庫芸術文化センター管弦楽団 2016-17シーズン
第94回定期演奏会
佐渡 裕「田園」
を聴きに行きました。
患者さまからチケットをいただきまして。(ありがとうございます)
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佐渡芸術監督が定期演奏会で「田園」交響曲に取り組むのは、意外にも今回が初めて。「真に信頼できるオーケストラと」という想いから温存してきた音楽が、PACと迎える11年目、今ここに解き放たれます! 長きにわたり日本のチェロ界を牽引してきた藤原真理は、PAC初登場。
【プログラム】
ドビュッシー:小組曲(H.ビュッセル編曲)
ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 「田園」
●ソリストアンコール曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード
●PACアンコール曲
シュトラウス2世:雷鳴と稲妻
【出演者】
指揮・芸術監督 佐渡 裕
チェロ 藤原 真理
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオーケストラ)
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9曲あるベートーヴェンの交響曲で、『田園』が一番好きなのですが、
プロの生演奏を聴くのは初めて。
第2楽章、第5楽章では涙が出ました。
どうしてこの曲に感動するんだろう?
演奏を聴いて、少し、分かりました。
ベートーヴェンはこの曲を自分の音楽家人生の集大成と位置づけていたーー技術的には新しい試みを惜しげもなく投入したーーからではないか。
毎回全力投球だった。
もうこの曲で最後、という覚悟で作曲していた。
耳が聞こえなくなって、音楽家としての人生が絶たれるかもしれないという不安は、わたしたちの想像を超えたものだったでしょう。
筆談でないとコミュニケーションがとれないほど耳が聞こえなくなった後も(骨伝導を利用して音を聞いていた、聞こえていたという説もあるようですが)ベートーヴェンは傑作を生み出し続けます。
しかしそれも「これで最後、この曲が絶筆」という覚悟なしでは不可能だったでしょう。
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マエストロが古典派を振るのは珍しい(ドビュッシーは現代だけれど古典派的な小編成のオーケストラ)なと思っていたら、アンコールが「雷鳴と稲妻」……期待を裏切らないですね、マエストロ。
アンコールで打楽器パートが3人入ってきた時点で「これは、やってくれるな」とわくわくしました。
ハイドンの第2チェロ協奏曲はもちろんですが、アンコールのバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」のプレリュードもとても良かったです。
ありがとうございました。
わたしも「きょうが最後」の覚悟で臨床に立ちます。