「レモンを食べると体内でカルシウムの吸収率が上がり、血圧を下げる効果がある」は本当か？

はりねずみのハリー鍼灸院＠西宮・門戸厄神から、臨時開院のお知らせです。

５月１４日（土）１０～１８時　臨時開院
５月１５日（日）１０～１８時　臨時開院

西宮の情報誌「宮っ子」（５・６月号　甲東）に
「はりねずみのハリー鍼灸院」の広告が載っています！

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０７９８ー５３－０６３０

本題。

きょうは新聞記事として載っていた

「レモンを食べると体内でカルシウムの吸収率が上がり、血圧を下げる効果がある」

研究の信頼性について、疫学（統計学）という観点から考えてみましょうというお話。

まず、読売新聞の記事より要点を取り出すと・・・

●県立広島大（本部・広島市）などの研究グループは、レモンを食べると体内でカルシウムの吸収率が上がり、血圧を下げる効果があるとする研究結果を発表した。

●レモンの酸味の主成分・クエン酸に、カルシウムの吸収を促進する作用がある。

●中高年の女性４４人に、カルシウムを配合したレモン果汁飲料２００ミリ・リットルを半年間、毎日飲み続けてもらった結果、骨から血液中に溶け出るカルシウムの量が平均で約１４％抑えられ、骨密度は３か月で平均１．３２％上がり、半年後もほぼそのまま保たれた。平均１３４．６だった最高血圧も、１か月で１２５．６まで下がり、半年後まで効果は継続した。

●県立広島大（本部・広島市）と県立安芸津病院（広島県東広島市）、ポッカサッポロフード＆ビバレッジ（本社・名古屋市）が共同研究を行った。

●研究は、レモンの需要拡大を目指し、生産量日本一の広島県と、レモン製品を販売するポッカサッポロが２０１３年２月に締結した連携協定に基づき、１４年１１月から行われた。

これだけだと、レモンは骨粗鬆症の予防や最高血圧の低下によさそうです。

一方で、研究のデザインーー研究そのものの信頼性としてはどうでしょう？

対照群が設けられていないのが気になります。
（設けられていたらごめんなさい）

この研究は、次の４群（３つは対照群）に分けて行わないと本当にレモン＋カルシウムの効果があるのかどうか分からないからです。

（A）カルシウム＋レモン
（B）カルシウムのみ
（C）レモンのみ
（D）どちらも入っていない

※欲を言えば、

（A'）カルシウム＋クエン酸

も。（レモンにクエン酸以外の有効成分があるかどうか調べられるため）

理由はーー
仮に、最高血圧の低下を調べるとき

レモン＋カルシウム　　下がった　８人　下がらなかった　２人

このデータだけだったら、

「おお、いいねいいね」

となります。
ところが

レモン＋カルシウム　　下がった　８人　下がらなかった　２人

カルシウムのみ　　　　下がった　８人　下がらなかった　２人


だったら「レモンではなくてカルシウムで血圧下がったんじゃない？」になるし

レモン＋カルシウム　　下がった　８人　下がらなかった　２人

何も入っていない　　　下がった　８人　下がらなかった　２人

だったら「測定の季節が変わったせいじゃない？（冬→夏など）」になるからです。

また、
９５％信頼区間（９５％の確率でおさまる範囲）という統計尺度があるのですが、

たとえば最高血圧の変化分の９５％信頼区間が

レモン＋カルシウム　９５％信頼区間　　-3.8mmHg～-1.9mmHg
カルシウムのみ      　９５％信頼区間　  -2.0mmHg～ -0.4mmHg

だった場合、信頼区間の一部が重なっているので

レモン＋カルシウムがカルシウムのみに比べて
最高血圧の下がり具合がより強いということにはならない

のです。

それでもわたしは、はりねずみのハリー鍼灸院では患者さまに

「レモンをカルシウムの多い食品と一緒に摂ると、骨粗鬆症の予防や血圧を下げるのにいいらしいですよ」

とは言うと思います。
理由は

（１）レモンは大量に摂らないのであれば（１キログラムとか）、おそらく安全だから
（２）統計学的（疫学的）にはっきりとした差（「有意差」と言います）が出ていなくても、効果がないとは断定できないこと（それなりに効くことは効くかもしれないということ）
（３）現に骨粗鬆症や高血圧症に悩まされている方に、可能性がゼロではない選択肢を提案することが倫理上悪いとは思われないので

ということで

「（患者さまが）もしもレモンがお好きなら」

という条件をつけての提案になりそうです。

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西宮市公民館活用促進プロジェクト
『ストレスに負けない方法と鍼灸』
のご案内

西宮市政ニュース（2016年3月25日版）に

西宮市公民館活用促進プロジェクト
『ストレスに負けない方法と鍼灸』

が掲載されました！！

一番上に載せていただいて、ありがとうございます！！　がんばります！！
ーーーーーーー

４～７月の第３火曜日の午前中、西宮市の高木公民館で、ストレスマネジメントと鍼灸についてのボランティア講座を行うことになりました。

西宮市での講演は初めてです。がんばります！

■対象　下の４つのうち１つでも当てはまる方■

●ストレスの原理や対処法について学びたい　　　　　　　　　
●鍼灸や代替医療に興味がある　 
●ストレスを感じている、身近な人がストレスにやられている
●信頼できる健康情報を得る方法を知りたい

■日程・内容　（全４回、１回だけのご参加も可）■

４月１９日（火）１０時～１１時３０分
　　「ストレスって何？　鍼灸（はり・きゅう）って何？」　

５月１７日（火）１０時～１１時３０分
　　「ストレス対処法・予防法Ⅰ　鍼灸の治療原則」　

６月２１日（火）１０時～１１時３０分
　　「ストレス対処法・予防法Ⅱ　東洋医学の基本」

７月１９日（火）１０時～１１時３０分
　「健康情報の選び方（メディカルリテラシー）」

※各回ともセルフケアの実習あり　
（小児はり（かっさプレート）を使ったタッチセラピー、自律訓練法、漸進的筋弛緩法

■場所■

高木公民館　第１集会室（〒663-8033　西宮市高木東町15-10）

■定員■

１５名（予約制・先着順）　　　　　　　　　　　　　　　

■参加費■

１回　５００円（教材費　込み）

■講師■

本木晋平（もとき しんぺい）　
（鍼灸師・日本抗加齢医学会会員・AEAJ認定ｱﾛﾏﾃﾗﾋﾟｰｲﾝｽﾄﾗｸﾀｰ）　　　

　　
※筆記用具をご持参ください
※ひじから先、ひざから先を出せる動きやすい服装でご参加ください

案内のチラシは、西宮市内の公民館・図書館にあります。

ふるってご参加ください。

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まずは、「ストレスフリー顔はり」がどんな顔はりか、ご覧いただきます。

（前面）お顔の鍼はとてもシンプルです。頭や首にも鍼を打っているのが見えますか？

（後面）顔以外に打たれているこれらの鍼こそ「ストレスフリー顔はり」の特長です。

鍼治療の経験のない方にはものすごく痛そうに見えるかもしれません。
実際はものすごく気持ちいいです。

＊＊＊

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