きょうは「統計学やランダム化比較試験(RCT)に泣く臨床鍼灸」連載第1回。
まずは、福島の甲状腺がん発見のためのスクリーニング(一斉検診)で出た統計データ・結果の読み取り方の記事。
「「あることが証明できないからといってないという事にはならない」という科学の限界」
「「データがあるから」危険だ・安全だと議論をするのではなく、「データがないから」こそ知恵を絞って最善の対処をする、そのような建設的な議論を望みます」
「どんな一流の研究者であっても、完全にニュートラルであることはありません。自分なりの価値観や哲学を持たない研究者は研究者とは言えないからです。つまり、データの解釈や意見が偏らない専門家は存在しない、ということです」
「誤った科学信仰、論文信仰により、「専門家」に安易に追随して、あいまいさの残るデータを断定するような報道を繰り返す。研究者は批判されるリスクを避け、あるいは面倒臭がって説明責任を投げ出す。その悪循環をやめない限り、このような騒動(引用者注:ある学会誌に「福島の子どもたちの間で、甲状腺がんが他の地域の20-50倍上がっている」という論文が受理されたことが世間で物議をかもしている)は繰り返されます。そしてその騒動に否応なく巻き込まれるのは、福島県の住民の方々なのです。
科学とは何のためにあるのか、ニュースの目的とは。福島に関心を持つ善意ある方々に、そのことを今一度考えていただきたいと切に願います」
を紹介しておきます。
さらに資料を、もう一つ。
『基礎知識と実践的な分析手法 統計と確率ケーススタディ30』
(別冊ニュートンムック、ニュートンプレス 編、2014年5月15日発行)
中
統計学者のハンス・ロスリング教授(スウェーデン、カロリンスカ研究所教授、ギャップマインダー財団代表)のインタビュー記事より一部引用します。(97ページ)
ロスリング——仮説検定で、統計学的には有意な差があっても、現実の世界では何の意味もない場合もある、ということをご存知ですか?
たとえば、大阪の人は東京の人と比べると太っているとしましょう。どうしてそれがわかるのかというと、東京と大阪でそれぞれ10万人の被験者を対象に調査し、大阪の住人の方が13グラム体重が重いという「統計的に有意」な結果を得たからだ、というのです。
Newton——たった13gのちがいなら、それは「差がある」というより、「ほぼ同じ」ということですね。
ロスリング——その通り、この結果に現実的な意味はありません。実は、サンプル数として十分な規模であれば、必ず統計学的に有意な差をみちびけるのです。わずかなちがいを調べるためには、膨大な数のサンプルが必要になります。
では、たとえば「この新薬は既存の薬よりも効果がある」といわれたとしましょう。根拠を聞くと、「患者1万人を被験者として、半分に一方の薬、もう半分にはもう一つの薬を投与する方法で調べたから」。この段階で、私にはさほど結果にちがいはないだろうということがわかります。1万人の被験者を必要とする時点で、効果の差がごくわずかであることは明らかだからです※3。もしある薬がほかの薬より飛びぬけてすぐれているなら、被験者は100人もいれば十分です。
このように、大規模な調査から得られるわずかな差より、規模の小さい調査で発見された大きな差が重要なのです。
Newton——仮説検定の結果を正しく理解するには、差だけではなく、被験者の数にも注目して、得られた差の意味を考える必要があるのですね。
ロスリング——よく話すのですが、数字がなければ世界は理解できません。でも、数字だけでは、世界は理解できないのです。数字や尺度、そして文化や宗教にもとづく物の見方の両方が必要なのです。
※3;10回じゃんけんをして、一方が6回勝つことは十分ありうるが、10000回じゃんけんして、一方が6000回勝つ確率は非常に低い。前者と後者では勝率は同じ60%だが、仮説検定で勝者が強いかどうか調べると、前者では「判定できない」という結果が出て、後者は「勝者の方が強い」という結果になる。このように、仮説検定では、サンプル数が多いほど、わずかな差でも「意味がある」と判定できるようになるという性質がある。
ということで、統計処理の結果に対する「解釈」がいかに重要かが分かると思います。
ところで。
わたしたち鍼灸業界は、この統計学に泣かされ続けています。
証拠・医学的根拠に基づいた医療(EBM:Evidence-Based Medicine)において、鍼灸はいつも蚊帳の外に置かれてきました。
「●●に鍼灸は効くんです、実際、当院の治療を受けて喜ばれた患者さまがたくさんいます」
といくら言っても
「それ、たまたまじゃないの?(=統計学的な有意差がないのではないか)」
と返される。
確かに、統計学的には有意ではない。
ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)という、統計学的にきっちりした結果が出る方法で行われた治験もないのではないのですが、たいてい、「有意差はなかった」。
これでは、第三者が「鍼灸治療をやってみる価値がありますよ」と勧めにくい。
お医者さまが東洋医学を軽視している、潜在的な商売敵になりうる鍼灸をつぶしにかかっている、というのでもなさそうです。
人間的に問題のある意地悪なお医者さまもいるでしょうが、それは鍼灸師も同じこと。
鍼灸師の誰もが、道徳の教科書に登場してもおかしくない君子でもないでしょう。
(わたしに至っては、「そんな君子みたいな鍼灸師になってもつまらんな」と、そうならないように努めているくらいです)
もちろん、鍼灸に効果がないわけではないのです。
わたし自身、毎日自分の体に鍼を打ったり灸をすえたりして、鍼灸の効果を日々実感しています。
はりねずみのハリー鍼灸院に来られている患者さまも、「先生のおかげで楽になった、痛くなくなった、冷え性が軽くなった」と喜ばれます。
施術料を払ってわたしにお世辞を使う必要もないから(患者さまに要らぬ気を遣わせているのであれば、わたし自身に問題がある)、患者さまの感謝の言葉を額面通り受け取っていいはず。いいですよね?
それでは、どうして鍼灸は統計学的有意差が出てこないのか?
わたしは、理由が二つあると思っています。
一つは
「鍼灸が、個体差が大きく、外部環境のわずかな変化に影響されやすい『生体の自律神経の機能』に依存した治療法だから」
もう一つの理由は次回に。お楽しみに!
===「美容鍼」「美顔鍼」「ストレスフリー顔はり」===
西宮・門戸厄神「はりねずみのハリー鍼灸院の
ストレスフリー顔はり(美顔はり)
8000円(約60分)
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【注】画像および文章の無断借用・転載は固く禁じます。
まずは、「ストレスフリー顔はり」がどんな顔はりか、ご覧いただきます。
(前面)お顔の鍼はとてもシンプルです。頭や首にも鍼を打っているのが見えますか?
(後面)顔以外に打たれているこれらの鍼こそ「ストレスフリー顔はり」の特長です。
実際はものすごく気持ちいいです。
***
名前の通り、ストレスを解放させる(フリーにする)「ストレスフリー顔はり」。
リラックスさせる自律神経の副交感神経を刺激することを目標とした打ち方です。
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一般的な美容鍼灸サロンの顔はりや美顔鍼と発想が違う打ち方とも言えます。
もちろん男女問わず、美容鍼灸(全身バージョン 12500 前日までのご予約が条件)の入門編ーー肩から上の美容鍼灸ーーとしてもおすすめです。
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お仕事、家事、介護、勉強(資格取得など)で、知らない間にストレスがたまります。
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がんばっているひと、絶えず周囲の気配りをしているひとにこそ受けていただきたい「ストレスフリー顔はり」。
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「はりねずみのハリー鍼灸院」@西宮・門戸厄神へ
※患者さまから撮影・公開の許可をいただいています。ありがとうございます。
当日予約も受け付けています。
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