小児はり（虫はり）のお話　２　〜お子さまのかんの虫・夜泣き・奇声・おねしょ・消化不良に〜

きょうは

小児はりがどうして効くのか？

小児はりのメカニズムのお話。
復習ですが・・・

小児はり（虫はり）とは

「刺し入れない鍼」「皮膚の表面をこすったり軽く押さえたりする鍼」

で、
お子さまの、主に背中、頭のてっぺん、手足の外側、おへその下あたりを刺激します。
施術時間は５分程度。
（初診は説明などもあるので１５分くらいです）

「短っ！」と思われるかもしれませんが、お子さまの体が小さいから。
大人の施術時間に「変換」すれば、３０～４０分程度になるでしょう。

だいたい０～１２歳くらいまでのお子さまには特に有効です。
（当院では成人ーー大人にも小児はりを積極的に導入していますが）

適応症は

　疳虫（かんむし,かんのむし）
　夜泣き
　乳吐き・食欲不振
　不眠
　不機嫌・神経過敏
　突然奇声を上げる

　虚弱体質（かぜをひきやすいなど）
　夜尿症（おねしょ）
　消化不良（下痢，便秘）
　小児喘息

　アレルギー疾患（アトピー性皮膚炎、鼻炎など）　

実に多彩です。

どうして効くのか？

実は、刺し入れる鍼と同じく、皮膚の表面をこすることでも自律神経にはたらきかける反射（体性ー自律反射）が起きます。

でも、それなら大人でも効くはずです。
どうして子どもに効くのか？

一言でまとめると

自律神経を含む神経系統が、子どもの場合、未熟だから。

スキャモンの発達・発育曲線というのがあります。
神経系統とリンパ系統（免疫系統）は、他の臓器よりも発達のスピードが早いのです。

一般的に神経系統は

４－５歳で成人の８０％

６歳で成人の９０％

まで発達します。
ところで、他の臓器の発達度は、６歳でも成人の４０％程度です。

ちなみに、

神経型が著しく発達する5～8歳頃（プレ・ゴールデンエイジ）は、常に多様な刺激をからだが求めるという特徴があります。

ゴールデンエイジ（9歳～12歳頃）になると応用力ーーいわゆる運動神経や運動のセンスが向上し、

ポストゴールデンエイジ（12歳～14歳頃）は基本動作の反復・定着と、工夫や創意能力を伴う動作が向上します。

話を戻して、だからこそ、子どもの場合、少ない刺激で大きな影響を与えることができるのです。

簡単なモデルで考えればはっきりします。

大人の皮膚表面を１００、神経分布を１００としましょう。
スキャモンの成長・成育曲線より
子供の皮膚表面は４０、神経分布は９０。

神経／皮膚は　

大人は１００／１００＝１．０
子供は９０／４０＝２．２５

ということで、大人も小児はりは効きます。
子どもほど効果が出にくいというだけで。

西宮・門戸厄神「はりねずみのハリー鍼灸院では、大人の患者さまにも小児はりを積極的に導入しています。

理由は

◎多様な刺激を与えることで反射が起きやすくなるから
◎腹部や四肢の内側などデリケートな部分に優しい刺激を与えられるから

です。

「小児はり」、ぜひお試しください。
「これも鍼なの？」と驚かれると思います。それで、効くんですから。

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