「サトイモの含ませ」から「一晩おいたおでん」、そして鍼灸の「置鍼」の話 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

西宮・門戸厄神@はりねずみのハリー鍼灸院、きょうは、鍼灸治療の「置鍼(ちしん)」のお話。
「置き鍼」「留鍼(りゅうしん)」とも呼ばれます。

ところで、読売新聞の「きょうの健康レシピ」で「里芋の含ませ」という料理が紹介されていました。
調理法はシンプル。

(1) 里芋は、天地を取り除く。鍋に里芋がかぶるぐらいの水と米(里芋4個に対して米10g程度)を入れ、皮付きのまま里芋を水から約15分下ゆでする。
(2) 里芋に竹串が通れば、冷水に落とし皮をむき、縦4等分のくし切りにする。
(3) 鍋にだし汁と里芋を入れ火にかけ、沸騰したらみりんとしょうゆを加え、1分程加熱したら、火を止めてそのまま味を含ませる。
(4) 器に盛り付け、おろしたショウガをトッピングする。

「火を止めてそのまま味を含ませる」。ここに「含ませ」の美味しさの極意があるわけです。
思い出したのが「一晩おいたおでんやカレー、肉じゃがは美味しい」
時間を味方にしている点で共通しています。

ここできょうの記事の本題です。
鍼灸の鍼治療の技術・方法は大きく「単刺(たんし)」と「置鍼(ちしん)」に分かれます。
「単刺(たんし)」は、ツボに鍼を打ち、すぐに抜く方法。
「置鍼(ちしん)」は、ツボに鍼を打ち、そのまま一定時間おいてから抜く方法。

鍼灸師が一般的に「技術」というのは、「単刺」の技術で

(1)痛くないように打てるか
(2)きちんとツボに当てられるか
(3)「ひびき」と呼ばれる鍼灸治療独特の深部感覚をどの程度生じさせるか
(4)リズミカルに速く打てるか
(5)患者さまに与える刺激量の許容範囲(限度)を把握してツボを選べるか(←これができると名人)

です。
一方「置鍼」は鍼を体内に留めておく時間ぐらいしか要素はないように見えます。
でも、この「時間」、すごく大事です。
長ければ長いほどいいわけではないし(現代の中医学では60分置鍼、90分置鍼という治療法もあるようですが、1時間以上も同じかっこうをするのはしんどいと思います。個人的に)、短すぎても、それなら浅めの鍼を4-5カ所打った方がいいです。

結局、

「置き鍼が体に影響を与える速度」

というものを考慮に入れないといけない。
個体差が大きいのでいちがいには言えないーー臨床でその個体のパターンを一つ一つ覚えていくしかない。

そもそも「要は治ればいいではないか」という考えもあって(これ、実はすごく大切。「実験」と「治療」の一番の違いです)あまり追求しないというのもある。

わたし自身は、「単刺」と「置鍼」の両方をとり入れています。

単刺だけやっていた時期もありましたが、どうも物足りない。
患者さまも、わたしも。
経営上、ベッドの回転数や原価率も大事ですが、ゆっくりしたらいいんですよ。

「体に良くて気持ちよければ何でもとりいれればいいではないか」

という、よく言えば柔軟性のある、悪く言えば節操のない考えの持ち主だもんで・・・

痛みや疲労感、がんこなコリやハリに悩まれている方、まだ鍼灸治療を受けられたことのない方も他の鍼灸院で受けたけれど止めてしまった方も、一度「はりねずみのハリー鍼灸院」の鍼灸治療をお試しください。

【おまけ】里芋には

◎食物繊維
 中でも多糖類(ぬめり成分)の
 ●ガラクタン:血圧やコレステロールを下げたり脳を活性化させる効果があると言われている
 ●ムチン:たんぱく質の吸収を促進し胃や腸の潰瘍を予防し、肝臓を強化する効果がある
◎カリウム:体内の余分なナトリウムの排泄を助けることで血圧を下げる効果がある

が豊富に含まれています。
これから里芋のおいしい季節、根菜類などと一緒に味を含ませて、積極的に食べたいですね。


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