夏こそお灸! 〜土用灸(どようきゅう)の意味〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。


「土用」というと、四立(立春、立夏、立秋、立冬)前の18日間

中でも夏の土用は有名で、江戸時代、

「本日丑の日」

と鰻屋が看板を出してから
(平賀源内が考えたコピーだそうだけれど、そうだとしたら天才的
ニホンウナギの受難の歴史が始まりました。

今年(2013年)の夏の土用は7月19日~8月6日だそうです

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ここから本題。
この夏の土用に、お灸をすえる習慣があった。

「土用灸」(どようきゅう)

と言います。

俳句の季語にもなっていて

●土用にして灸を据うべき頭痛あり (漱石)

●わが背に艾の燃ゆる土用かな (草城)

●いかなこと動ぜぬ婆々や土用灸 (蛇笏)

といった名句もある。
夏目漱石、俳句も詠んでいたんですね。


なぜ、夏の土用に健康増進が謳われたか。

簡単に言えば

「夏バテ予防」

だったのではないかと思います。

夏の土用の時期になると、高温多湿の「土用波」が起こる。
南の海で発生した台風や熱帯性低気圧の影響だと言われています。

高温多湿だと汗が蒸発しない。
体温調節ができない。
汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やしているのに、それができない。

自律神経が「何だってえ!?」と乱れて体のあちこちが重だるくなる。
筋肉は動かすと熱が出ます。
だからなるべく筋肉を動かさないようにする。
そういう状態で体を動かすと、普段のときよりも(相対的に)関節に負荷がかかって、関節が痛くなる。
(東洋医学では「湿邪」と言い、これにやられると「体重節痛」が起こるということになっています)

そこで、お灸をすえることで自律神経のバランスを整える。
お灸には自律神経調節作用があるのです。

むかしのひとは、科学的知識こそ持たなかったけれど、お灸の有用性を経験的に知っていたんでしょうね。

「元気ないな」と思ったら、ぜひお灸をすえてみてください。

●肩甲骨の間の押したら痛い/気持ちいいところ(誰かにすえてもらわないといけませんが・・・)
●足三里
●三陰交
●気海
●労宮


がおすすめのツボです。