聞きては、向かい風をくらっている人間ばかりのはずであった。隠し立てなど、無用の長物であった
「あなたは、大変な強運の持ち主ですね」
話を聞き終えるや、インストラクターは、断じた。私が強運? 嘘でしょう!--受け入れ難い発言だった。
「私の、どこが強運なんでしょうか」
「あなたは、すべて手にしているじゃないですか。恋愛も出産も、まかり間違えば悲しい結果になったはずです」
「それは、まあ、そうですけど…」
「試練に遭ったにせよ、すべてを切り抜けて、健康でここにいらっしゃるんですから、運が強いと言えるんじゃありませんか」
「はあ、でも、仕事のほうが、なかなか…」
「それは、あなたの潜在意識のせいです。また、愚かだって言われるんじゃないか、どうせお免状なんかもらえやしないっていうマイナスの意識が成功を遠ざけているんです。インナーチャイルドの影響です」
隣の女性が、ピクッと身体をふるわせた。ふと見ると、メンバーは我が身に置き換えるかのように、黙りこくっていた。
「潜在意識のせいなんですか? でも、無神経な大人の言動でそうなってしまったわけでして…」
「あなたは、輪廻転生を信じていますか」
「はい。沢山、本を読みました。その結果です」