第11章 駆け込み乗車(13) | 3.5次元の不倫

3.5次元の不倫

この本は恋愛と人生についての小説ですが、
ひきつづき児童書(英語の対訳付)を書きました。
おたのしみに!

「こっちも任せて欲しいなんて大見得を切った以上、必死だったわよ。その昔、敬愛する御方様がね、何かの話の折に、日系三世までは白がゆで蘇生するんだよって言っていたのを思い出して、どんなに気持が悪い時でもきちんとおかゆを食べて、特性のスープも欠かさず飲んだ。沢山食べて、しっかり大きくなってねって、暇さえあれば話しかけたしね」

「えらいね。さすがに、トウが立っているだけあって、味のある母親だわ。そして今日に至るか…。よく、やったね」

「お金がなくて医者に頼れなかったからこそ子供と二人で頑張れたし、今から強い絆を感じるのよ、子供と」

「敢えて意地悪く言えば、ここまでは出来すぎの話なんだけど、高齢にまつわる危険性が色々とあるんでしょう? どうするつもりでいるの?」

「揚水を調べると胎児の異常がわかるらしいんだけど、受けるのはヤメにしたわ。ここまで無事に育ってくれた生命力を信じているし、あるがままを受け入れようと思うの。さんざん悩んで、そう決めたわ」

「そうなの…。でも、無責任でも何でもなく、絶対に大丈夫だっていう気がするわ。私の六感を信じなさいよ。なんかね、男でも女でも一風変わった子供が生まれてくるような気がする。だけど、卯月はいいなあ。大変な経験もするけど、掛け替えのないものを得ているもん。私に、何があるかしら?」

「たった一回の人生であれもこれも手に入れようとしても無理な話なのよ。私だって切り捨ててきたものは沢山あるし、身ひとつで自由に生きられる瑤子をうらやましく思う事だってあるのよ。共産主義の国みたいだけど、子供は共有財産だって考えればいいじゃない。セカンド・マザー的な立場で子供に睨みを効かせてもらえると心強いわ」