前回は、今年は猛暑になりそうなんで、早めの夏バテ対策を!とのメッセージでした。
今回は、夏バテを防ぐために必要な、消化促進について考えてみます。
そもそも、人は摂取した食物をどのように消化・吸収しているのでしょうか?
現代栄養学に基づくと、食材として摂取された食物の栄養素は、口と胃、十二指腸、膵臓等から分泌される消化酵素によって分解され、吸収されます。消化器官があっても、この消化酵素が存在しなければ消化そのものができません。
唾液に含まれるアミラーゼ(でんぷんを分解)、胃液のペプシンや膵液のトリプシン(たんぱく質を分解)。膵液や腸液のリパーゼ(脂肪を分解)といった酵素の名前は最近では良く知られていますね。
そして、消化・吸収された栄養素を、エネルギーとして体内で働かせるのが、もう1種類の酵素である代謝酵素です。運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排出、抗ウィルス、肌の代謝等、生命活動のあらゆるところで代謝酵素が働いています。
酵素は現在約3000種類が発見されているそうですが、全ての酵素はそれぞれ一つの仕事しかしないそうです。だから、ものすごく沢山の数の酵素が必要で、さらに、この酵素が不足するとこうした生命活動に大きな支障をきたします。
そして、この消化酵素と代謝酵素の総和は一定だそうです。バランスよくいろいろな食材を食べることは、身体にとってとても大切ですが、食べ過ぎが続くと消化に大量の酵素が使われてしまい、代謝に使われる酵素が減少し、吸収した栄養がうまく使われません。
そしてそれを繰り返すことで、体内の酵素を減少させてしまいます。まず、食べ過ぎは、やはり決して体に良くないですね。私も「腹8分目」を目指します。
そして、いかにこの酵素を確保し、バランスよく使うかが効果的な消化促進の決め手になるようですね。酵素は、体内で作られるほか、食物にも含まれています(食物酵素)。
従って、自分なりに考えてこの食物酵素をいかに効果的に摂取して上手に活用するかが消化促進のかぎではないでしょうか。
たんぱく質の一種である酵素は、新鮮な野菜や果物、生の魚や肉、また、納豆や味噌、ぬか漬け等の発酵食品に豊富に含まれています。ただ、食物酵素は熱に弱く48度以上の過熱を加えると、その加熱時間によって成分が変性してし、酵素本来の効能を失ってしまいます。
従って、酵素を効果的に摂取するには、上述の食材もできるだけ生で食べることが大切となります。
アメリカでは、同国のエドワード・ハウエル博士が提唱した「酵素栄養学」を通して、こうした食材生食の効能に関する研究が紹介されており、最近同国で流行りの「スローフード」の理論的背景となっているのでしょうか。
ただ、やはり、現代人が日々の食事で生の食材を主にすることには、様々な弊害があると考えます。また、加熱によってそもそも消化しやすくなる、あるいは栄養価が高まる食材もあります。
一方、日本人の伝統的な食文化を顧みれば、これらはごく普通の食材で、食べ方も魚をお刺身で食べる事もごく普通です。しかも、生食は体を冷やすという指摘に対しても、お刺身には山葵や紫蘇、生姜を添えたり、麦とろ飯、トンカツにキャベツの千切り、焼いた秋刀魚に大根おろしプラスすだち等々、日本の伝統的な食べ方を考えれば、「体を冷やす+温める」のバランスをとっています。
いくら生食で酵素を、と言っても陰陽バランスの大切さが如く、やはりいつものバランスが肝要です。こうして日本人の普通の食生活を顧みると、効果的な酵素ゲット問題無し、なんて自分で納得しちゃいました。
気の作用の一つに「気化-気の運動による様々な変化」という概念があります。中医基礎理論では体で起こる様々な変化を気の概念を使って説明しています。酵素の働きはこの気の働きの一つとしてとらえることはいかがでしょうか。
アメリカで酵素栄養学なる概念の学問が紹介されたのはほんの最近ですが、その背景は、何千年も前から形づくられていた、新しそうで古きなるのかなとしみじみと思います。
バランスの良い食生活で、酵素と仲良く付き合い、健康な体を維持!
それでは、また!