優れた手法は開始から終了まで全く設定を変えない?
相手や周りに変化がない時には敢えて変更する必要はない。しかし、全く変化しない事はあるはずがない。
例えば自動車を走らせていてブレーキを掛けたらどうだろう?初期設定が良ければそのまま同じ力で踏み続ければよい。と言うわけではない。もしそうだとすれば、常に10km/h以下で走っていなければ安全には走れない。これでは自動車としての役目を果たさない。ドライブする時は状況に合わせ、アクセル・ブレーキ・ハンドルをコントロール出来なければ凶器としての鉄の塊となってしまうことだろう。また、状況を判断するセンサーはスピードメーターであったり、ハンドルに伝わってくる感触だったり、ペダルを踏む感触だったり、目視による情景だったりと多彩な感覚を使い、情報を取り入れ、分析・判断して体に指令している筈である。

 話を大きく遠回しにしたが、コーヒーの焙煎だって、抽出だって全く同じように、色々な感覚器官を使って情報収集・分析・判断・指令というステップは何ら変わりが無く行う事が出来なければ、10km/h以下でドライブするのと同じになってしまう。
安全パイを取る手法ではとても味気ないモノとなってしまう。

 焙煎は温度・豆の色やハゼ音が大きな判断基準になるが、それがどういう変化をして行くのか、過去からの情報を未来の見通しとして4次元の管理をして行く事が不可欠。また、どんな香りがどの位出てきたのか。チャフの出方はどうなのか。油分のにじみ方はどうなのか。豆がドラムに当たる音は高いのか低いのか小さいのか大きいのか。煙の出方はどうなのか。室温の変化はどうなのか。など、非常に多くの判断材料(サイン)をコーヒー豆や焙煎機は知らせてくれる。
より良い手法はこれらのDataを入力し解析し判断する事によって創り上げられて行く。

 抽出(ペーパードリップ)だったら、ケトル内の湯温は初期設定から動かさない(徐々に下がる)が、流量は粉の状態を見ながら変化させて行く。他、湯気の立ち方。香りの出方。ドリッパーの重さ。ポットの重さ。などからドリッパー内の流れや抽出状態を判断してドリッパーやケトルを操作して行く。
ドリッパー任せの淹れ方でもコーヒーと呼ばれるが、豆のパフォーマンスを十分に活かす事は出来ない。