一般的にはペーパーよりネルドリップの方が難しいと言われるが、完璧な水量コントロールが出来ると、ペーパーはなんて難しいのだろうと思えてくる。
ドリップで一番難しく感じる事は、粉の1粒1粒から成分を均一に溶解させるところにある。
粉の層、全体に水分を染み込ませてあるから、見た目からは均一に溶解させているのだろうと錯覚に陥る。しかし、実際には水の流れが速い部分は、より成分を多く溶解させ、流れが途絶えた部分からは溶解させる事は出来ない。
また、水分の染み込んだ場所は分子間力の働きによって他の水分を引きつける作用を持つが、乾いた場所では反発する場合もある程浸透させるのに難しくもある。更に1度、フィルターを通過してしまった水分を再び中に戻す事は出来ない。
その為、ファースト ステージにおいて、フィールターに水分を到達させずに、粉全体に水を染み込ませる事が如何に困難な事が伺える。
大半の人が、ファースト ステージの注水初期からサーバーに滴が落ち始めるのはこの為である。
空の状態のネルフィルターとペーパーフィルターを上から見比べてみよう。
もし、中心から注いだ水が粉と接触した着粉点から、放射状で均一に染み込んで行くとしたらどうだろうか。
水分を均一に染み込ませて行く事に於いては、如何に、ペーパードリップの形状が理にそぐわないかが解る。
 それではペーパーフィルターも、ネルフィルターと同じような形状にすればよいのではないかと、思えるが、使い切りのペーパではコスト面で折り合いが付かず、また、販売時のパッケージもかさばる為、現実的に可能な限りではない。
 使ってみると意外に簡単なネルフィルター(枠・ハンドル付き)ではあるが、やはり取り扱いには面倒な部分が多い。