磁器と陶器の違いは色々と言われる。原料・焼成温度・色・透過性・給水性・音の響きなど見方によっても多少の違いが出てくる。その中で良く耳にするのはカオリン(カオリナイト)と呼ばれる成分が入っているかどうか。磁器には必ずこれを含有し、ガラス質化していなければならない。幾ら磁器の原料を使っていても、焼成温度が低くガラス質化が起こっていなければ、磁器の範疇に入れる事が出来ない。絵付けをする前の素焼きの状態では植木鉢と同様の陶器(須恵器)である。なぜなら、焼成温度が低く、内部にガラス質化が起こっていないからだ。この状態では日常使用に耐える事が出来ず、壊れやすい。その昔、原料が見つからなかった事にもよるが、磁器を簡単に焼く事が出来なかった原因は焼成温度が上げられなかったせいでもある。
 また、カオリナイト以外にもガラス質化する成分がある。磁器焼成に試行錯誤していた時代に、陶土(陶器の原料)に珪素(ガラスの原料)や牛の骨灰を混ぜて焼き上げたモノが考え出された。カオリナイトが主成分の磁器を硬質磁器と呼ぶのに対し、こちらをを軟質磁器呼ぶ。現在、珪素を混合して作るモノは作られていないはずだが、骨灰を混ぜて焼成した“ボーン(骨)チャイナ(焼き物)は広く好まれ、使われている。このボーンチャイナは軟質と言われるだけあって、硬質磁器より表面に傷が入りやすく、薄く作る事が難しい。また、焼成中に釉が溶けて胎土と融合しやすい性質によって、殆どが上絵となっている。