ドリップポットのグリップ部が、金属の丸パイプ製や木製丸棒のモノを多く見受ける。これらは、非常に使いづらい。グリップを保持してから、揺れが収まるまでの時間が長く掛かるからである。当然、ケトルを動かす淹れ方をしていれば、常に不安定で、狙った場所・量を注ぐことは出来ない。多くのプロが愛用している“ユキワ”のだって、全く抑えられない。ウソだと思ったら、同じ太さの丸い棒と四角い棒を転がしてみればよい。なぜ、四角い棒の方が転がらないのか。答えは簡単!角棒の方が丸棒より、エネルギーの伝達がスムースに行われないからである。この伝達がスムースに行われないことが、相手(ポット)を制する事につながる。逆にエネルギー伝達を減衰できなければ、より時間を必要としたり、より大きいエネルギーを放出させなければ相手を制することが出来ない。
 また、多くのポットが見てくれ重視によって、本体との取り付け角が操作性を全く無視して作られている。不自然な角度はポットを軽く保持したときに、より大きく傾く。お湯が出てこないまで起こすとき(ドリップ時の最初のホールド状態)は、より大きな力を加える必要がある。手首に力を入れれば入れるほど、肩は硬直して操作性を失う。初期段階でいかに脱力出来るかによって、その後に起こる流れを制する事が“出来る”か“出来ない”かの違いになる。それはつまり、均等抽出になるか、不均等抽出になるかを意味している。