1番売れている=1番ニーズがある=町工場(小規模企業)で生産すべきモノ
もし、上記の理論が正しければ、町工場でカローラを生産しなければならない。では実際に生産したら、すぐに経営は立ちゆかなくなることだろう。なぜなら、町工場で生産するという枠組みを考慮していないからだ。カローラを生産するには、徹底して仕入れコスト削減・生産コスト削減・巨大販売網などと、どの行程に於いても、しっかりとシステムを組んだ上に置いて作らなければ利益を上げることが出来ない。そんなモノを、町工場で製造販売してまうのだから、行き詰まるのも当然だ。
では、自家焙煎店においては、どんなモノを生産販売して行くべきなのだろうか。現状、ほとんどのShopでは、大手メーカーの扱っている品質に、新鮮と、言うキーワードを乗せて販売している。これでは、町工場でカローラを生産してプラス目先を変えるモノを付属して同価格で販売しているのと同じことではないだろうか。自家焙煎という業態は、初期投資費(技術開発費・店舗の地代家賃/建築費・生産設備費)が掛からないから、リスクが少なく、趣味を活かすことのできる稼業である。と、言う見方をされるが、そんな見解から開業を始めると、とんでもないトラップに陥ってしまう。カローラ(大手メーカー)は良くも悪くも安定した生産が身の上なのである。要はLowCut・HighCutでmiddleをいかに広げることが出来るかが、最大の焦点にしている。HighCutを?と、思うかもしれない。安定を最重要課題に持ってくると、非常に良いモノが出来てしまうと、実は困ってしまうのである。もし、次に生産したモノがそれより少し劣ったモノであった場合に、必ず、前のと違うとクレームが来る。その豆は商品にならなくなってしまう。安定を最優先とした製品とは概ねこの様なモノである。リスクを負わず開業した自家焙煎店は、当然、豆の知識・保管庫・高度焙煎技術など持っているはずもなく始めるのだから、生豆が変化しても気付かず(不味くなった原因が解らなかった場合も含め)そのまま営業を続けてしまう。カローラ同様のコーヒー豆に付加価値を乗せて販売した豆が、大手メーカーのmiddleをずっと下回ってLowCutされる部分を知らず知らず売ってしまっているわけだ。小さな店舗で開業したら、焙煎機も小さな機種を選択せざるおえない。焙煎機は耐久性があるから何十年も使えるからと、中古品を手に入れる。本人は味が解らないにもかかわらず、焙煎してから新鮮であるうちに販売しているから美味しい。この一点張りで販売を続け、焙煎の設定は焙煎作業の複雑化を嫌い、楽な方へとシフトして行く。さらに、目先の換え方ではオークション豆・ブランド志向の強い豆を仕入れてピーアールして、豆のポテンシャルを引き出そうと試みない。更に最悪なのは、コーヒーは嗜好品だからと言う言い逃れだ。もっと根本的なコーヒーの美味しいを探求しなければならない筈である。小規模自家焙煎店では、大手メーカーでは絶対に手を出すことの出来ないHighCutされる部分やLowCutの基準値を上げた豆を製造販売すべきではないのか。それには、技術開発や設備投資と言った初期投資をもっとまじめに考えなければならない。また、何を置いてもまず始めに味覚を鍛錬しなければならない。メーカーのコピーがいかにいい加減なモノかが、味覚ができあがるほど実感できる筈である。何せメーカーでは頻繁にカップのチェックをやっていない。営業マンは入港直後のカップチェックのままの売り込みがほとんどではないか。と思える。焙煎の設定はどこから算出する。焼き上げの色のみで設定して行くから、守備範囲の広い豆だけが良質豆になり、ピンポイントで設定を出さなければならない豆はだめな豆となってしまう。もし、焼き上げた豆のカップによって設定を算出出来るようになったら、カローラ様のコーヒーが自家焙煎店にとって如何に無意味な存在であったかが解る筈である。