かなり長文ですが、とても勉強になるので、みなさま、ぜひ最後までお読みください🙏


ネオナチとはイデオロギーなのに、そのビジュアルや暴力性ばかり取り上げられている。

本質である思想やイデオロギーを説明している記事はあまり見当たらないので今回は「ネオナチのイデオロギー」を説明。


まず最低限の知識として、欧州にはナチスのイデオロギーを参考にするネオナチと呼ばれる残党が各国にいる。

この問題はウクライナだけの問題ではない。しかし、ウクライナはその連中が権力の中枢に組み込まれているところが他の国と違う部分である。


彼らの一番上位に来る価値観が「白人民族の存続」
そこから生まれる思想は組織によって多少の違いはあるが、ほぼ共通するのは
・人種主義(白人至上主義、純血主義、少数派の弾圧
・民族主義(排他主義、軍国主義
・同性愛への反対
・プロパガンダ重視

宗教による世界観より自然状態が上位にくるなど、他にもいくつか特徴はある。
他にも、これは世の中の本質を捉えてるなと思う部分もあるが、今回は関係ないので割愛。

①白人至上主義
白人は、アジア系のフン族やモンゴル人、黒人系のムーア人に何千年も苦しめられてきた。
なので、白人が彼らに何かやっても、それは借りを返してるだけなのでその行為は許される。
こういった考えが、白人は他の民族を差別してもいいという白人至上主義の根底にある。

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今回のウクライナの問題とは別だが、
ネオナチの教義では、たとえばアメリカ大陸でインディアン(彼ら曰モンゴル系)を950万人虐殺し民族浄化したことや黒人を奴隷にしたこと、ユダヤ人へのホロコーストなどは、やり返しただけなので、白人に罪はないということになっている。



白人が他民族に対して行った残虐行為は恐ろしいものがある。

その残虐の歴史によって先祖を誇れない”哀れな白人連中”にとっては、このネオナチの考え方が白人にとって最大の「救いの教義」だ。


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第二次世界大戦当時、西ウクライナは、ドイツに編入されていた。

1941年にウクライナ西部のリヴィウでは「リヴィウポグロム」とよばれるユダヤ人虐殺が行われた。

3つのリヴィウ強制収容所には数千人の死体が残されていたとのこと。

(キエフ、オデッサでも虐殺が行われていた)




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ちなみに1991年3月17日に行われた「ソ連邦を維持すべきと考えるか」の全ソ国民投票。

ユダヤ人虐殺があった地域(キエフとリヴィウ)だけは他とイデオロギーが違うところを意識しながら今後のツイートをみていって欲しい。




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ウクライナの国家独立は、このホロコーストに関わったウクライナ西部のリヴィウの民族主義者たちが中心だった。




彼らがソ連崩壊とウクライナの独立に一役買ったのは間違いないが、同時に彼らはナチスの一員でホロコーストに加担した連中。

なので、ウクライナのナショナリストや民族主義者と「ネオナチの教義」は非常に相性がよかった。


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ウクライナのネオナチの間では、過去のユダヤ人虐殺は許されるし、それどころか、むしろその批判によって国の英雄たちは汚名を着せられてきたと考えてさえいる。


ナチスのホロコーストで犠牲になった何百人ものユダヤ人の墓があるジトミルのユダヤ人墓地は、ネオナチの彼らに破壊されたりしている








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2014年に民族主義者たちに武力で政権が乗っ取られてからは、行政にまでその思想は浸透しており、近年ウクライナは元ナチスのメンバーの名誉回復を盛んに行っている。

画像は、2021年、テルノーピリの地方政府の建物で、ユダヤ民族虐殺に関与していたとされるバンデラ。




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ウクライナ軍の空挺部隊は「私たちの父はバンデラ」と歌っている。


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最近は、キエフのカトリック教会もバンデラに敬意を表しデモに参加していた。


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その国の英雄が、周辺国にとっては大量虐殺者なんてことはざらにあるので一概に否定はできないが、ウクライナの場合は”他の人種をジェノサイドした思想”まで肯定して自国のナショナリズムに取り込んでいる(後述する)ので、そこが他の国とは違う。

②純血主義
人種の相互交配(混血)は、人種の特徴と存在を破壊する。異なる人種や民族の強制的な統合は、悪意のある大量虐殺と同じである。白人のような少数派民族にとってはなおさら
なので、それによって生まれた混血は民族を破壊する邪悪な者で、アーリア人種の生存を脅かす最大の脅威だという思想

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まず前提知識として、西部はウクライナ語圏東部はロシア語圏があり、ウクライナはこれら別々の文化圏を合体させた人工国家。
東部のロシア語圏の中には「ロシア語を話すウクライナ人」と「ロシア系住民」が混じっている。



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西部ウクライナ人のネオナチからすると、東部にいるロシア系住民は国家を弱体化する邪悪な存在。

2013年にキエフで行った民族主義者のデモでは「ロシア人をナイフに通します」 とシュプレッヒコールを上げている。


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2015年、キエフのナイトクラブで行われたアントン・チャドスキー(反プーチンのロシア人)が主催するパーティー。
ロシア国旗に寝そべる赤ちゃんのケーキで「ロシア語を話す赤ちゃんを食べる儀式」
サタニズムとネオナチの思想が合わさったおぞましい行為。






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ウクライナのネオナチ、アレクサンド・グラマンチュクによって配布された缶詰の肉。
ラベルには「ロシア語を話す赤ちゃんの肉(ドンバスで亡くなった子ども達をほのめかす)」と書かれています。
後ろの壁にはウクライナ空挺部隊の旗。



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2015年、ウクライナ軍の兵士が戦車にミサイルを積み、ドンバスで市民に砲撃をしながら「ウクライナに栄光あれ」と叫んでいる。

動画後半、ドネツク州のゴルロフカの母親は幼い息子を殺されて泣いている。


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2019年、ドンバス戦争の最前線では、ウクライナ軍はナチスの旗を立てて塹壕から攻撃をしている



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ウクライナ軍によるドンバスの爆撃で亡くなったドネツクとルガンスクの子供たち。

2014年から始まったこの内戦は、2022年までずっと終わらなかった。






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純血主義の問題点は、ウクライナは東部にロシア系、オデッサにユダヤ系、他にもチュルク語系民族など、建国当初から多民族国家なところにある。

本拠地リヴィウは歴史的に見てもロシアの影響はほとんど無く、その範囲でならまだ問題ないが、ウクライナ全体にその考えを広げると当然軋轢が生まれる


③少数派の弾圧

自然の観点からすれば種族間の関係において善悪の概念はない。

もしライオンが子羊を食べたら、それはライオンにとって善であり、子羊にとっては悪である。子羊が逃げてライオンが飢えれば、子羊にとって善であり、ライオンにとって悪である

道徳や憎悪、善悪とは関係がないという思想


種族間の思いやりは、自然の法則に反しているため自殺行為。

こういった考えから、ネオナチは平気で少数民族を弾圧する。


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2018年、キエフにてハンマーと斧を持ったウクライナのネオナチメンバーがロマ族キャンプを襲撃。

その後、ウクライナの警察の支援を受けて、再度破壊。今度は火を放った。


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2018年、ウクライナ西部のリヴィウではロマ族の家族を追い立て、唐辛子スプレーを噴霧。


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ロマ族が住んでいる家を渡り歩き、窓ガラスなどを次々に破壊していく。


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3-5ロシア侵攻前のキエフ。ただそこを歩いていただけのロマ族の女性を絡み殴打している。


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一応補足
日本は災害が一番の敵(鎌倉や江戸末期は海外)なので「みんなで力を合わせ助け合う」が共通の理念になる。
しかし紛争の多い地域では、周辺民族に支配され植民地にされ奴隷にされてきた歴史があるので、周りの民族が敵となり、こういった思想が生まれやすくなる。

④排他主義
自分の民族、自分の文化、または自分の領土の人種差別は、民族を守るうえで必要不可欠。
それを破壊するすべての人々または慣習については、完全な憎しみをもって憎まなければならないという思想。
なので和平や共存を唱える者は裏切り者となる

ゼレンスキー「国民投票が必要」
・クリミアや東部の独立承認
・ロシア語禁止を撤廃
・武装解除、中立化

ゼレンスキーが独断で決めたら、彼は裏切り者としてネオナチの連中に間違いなく殺される
イデオロギーや思想が分かれば、相手がなぜそういった行動を取るかがよくわかる


リンク


人種差別は、自分の民族、自分の文化、または自分の領土を守るうえで必要不可欠。

なので「人種差別」を破壊するすべての人々、または慣習については、完全な憎しみをもって憎まなければならないという思想。


ネオナチの中では人種差別は積極的に肯定される。


ユダヤの排斥

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18世紀、ウクライナ西部を中心に繁栄したユダヤ教のハシディズム派。その開祖ラビ・ナフマンの墓は、イスラエル国外で最大のユダヤ教聖地。

そのラビ・ナフマンの墓があるユダヤ人地区で、ユダヤの15歳と17の青年をウクライナ過激派が襲い、1人は頬をナイフで刺された。





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2020年、ユダヤ人がキエフにて「ハヌカ(エルサレム神殿奪還の戦勝記念日)」を祝い、メノラーランプに火をともしていた。

朝には”目の前に警察がいるにもかかわらず”反ユダヤ主義者がそれを壊した。 

動画には映ってないが、その後、メノラーランプは川に投げ込まれた。


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2021年12月、キエフではユダヤ人の店、またはネオナチ政権の敵と見なした店を攻撃して周った。


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ゴールデンタイムのテレビで、ウクライナ陸軍退役将校フリホリ・オメルチェンコは、ユダヤ人の下僕にならず、彼らを追放するようにウクライナ人に呼びかける。

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2021年5月、ユダヤ人の歴史とホロコーストの研究学者ウラジーミル・シューキンは、ミコライフの自宅で残酷に殺害されているところを発見された。
2018年には、ミコライフの別の歴史家ミコラ・シチュクも殺害されている。
その事件の容疑者は逮捕後すぐに釈放され事件はいまだ未解決のままである






ロシアを排斥
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2014年「共産主義者を吊るし上げよう」「ハイル・ステファン・バンデラ」「バンデラとシュケヴィチ(共にナチスの戦犯)はウクライナの英雄だ」などのスローガンを叫ぶ極右政党の全ウクライナ連合「自由」のパレード。

4-2-2
2016年、キエフの中心部で赤い旗を掲げた高齢者を棒で殴り、唐辛子スプレーで攻撃。


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2021年、ソビエト連邦(CCCP)と書かれたスウェットシャツを着てハリコフの街を歩いている高齢者に「ウクライナに栄光を」と叫びながら唐辛子スプレーを噴射。

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2019年7月16日、ロシア語を禁止する「国家語としてのウクライナ語機能保障法」が施行
準備期間の為、複数の項目は2021年1月16日から施行された。文化・芸術・娯楽や、サービス業で顧客・訪問者とのやりとりは原則ウクライナ語となった。 政治家や首長、公務員もウクライナ語を話す義務が科された





特に政治家、首長、公務員、国立銀行、警察、検察、弁護士、公証人、教育機関、医療従事者などに就くには、ウクライナ語の習熟度が新たな条件として付け加えられた。

国家が支配民族の言語を公用語として教育する同化政策は、かつてどこの国でも行われていた。
植民地支配された各国がスペイン語やポルトガル語、英語などを使ったりするのはその政策の成果だし、旧ソ連でも同じような政策を行っていた。なのでそれ自体は批判しない。

しかし、それが行われたのは国の領土がまだ固定化してない世界観での話。

たとえば、インドのように言語や文化の多様性をそのまま認めれば、領土は固定化されたままだが、
ウクライナのように国内の民族や文化を統一しようとして、被支配民族を公平に扱わなかったり、文化を強制的に破壊しようとするなら、破壊される側は反発するし、独立の機運が高まり領土が不安定する。

そして、そういった民族性や文化の一方的な破壊を、同胞である旧宗主国や敵国が助けようとすることは当たり前の話。
そうならないために賢い国は、同化政策を行う場合、同時に甘い飴を与える。
もし反発をウクライナのように武力で押さえつけようとするなら、同じように武力で対抗されるのは当たり前。

露の軍事介入について、国際法を根拠に「力による現状変更」を非難する意見が大多数だが
「19世紀のような、文化の強制破壊」を行っていたり、「国民国家としての艇をなしておらず、ただ領民の利益を収奪するだけの国家」なら、国際法うんぬんの前に、それに反発する自然法の権利の方が当然優先される

ウクライナの国内事情を無視し、自然法に言及せず、
「武力行使は国際法違反だ」とだけ主張する国際政治学者や軍事学者達は、国際法をただ丸暗記してるだけで、法哲学を全く理解していない連中、もしくは、日本国民を故意に騙そうとしてる詐欺師集団といえる。

19世紀に引き戻したのは誰なのか。国際連合はこうならないために何を止めるべきだったのか。
米国のご都合主義の言論を脳死で垂れ流す専門家のように、「武力行為(手段)」にだけ注目してても本質は一生見抜けない。

Twitterからの引用終わり