夏木マリさんトークショーに行きました! | 奈緒子 official blog「Harmony with Earth」Powered by Ameba
大好きな夏木マリさんの講演を聴きに行きました!!

サクセスウーマン講座プレミアム
スタイルのある女を生きる。夏木マリの10のルール。


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2002年に新作アルバムを聴き、大好きになってから、
ずっとお会いしたいと思っていましたが、本当にリアルを生きる
かっこ良い素敵な方で感動しております!
まだ冷めやらず。。☆

ジャズでありシャンソンであり、ROCKなこの一枚。
『ラ・パロール』

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あの頃この一枚で、思いっきり夏木マリさんの虜になったんだなぁ。
そして、最も惹き込まれたのが『ベンハー』の語りどころ。

文字にしてくださった方がいらっしゃいましたので、シェアさせてください(*^^*)
今聴いても、もう、めちゃくちゃにかっこ良いです。。
http://mujinto.blog.so-net.ne.jp/2008-12-26


『あなたは『ベン・ハー』という映画を、
観たことがあるかしら?
長い映画よ。
とても長い映画。
ひとりの男の生涯に関する映画よ。
ローマ帝国、エルサレム、マケドニア軍……。
そう。
様々なことが起こるわ。
人が経験しうる、
ありとあらゆることが。

わたし、
一度死んだことがあるの。
若かった頃。
ずいぶんと昔よ。

アイスランドという国、
ご存知?
北欧ね。
行ったことある?
ないわよね。
レイキャビック、グトルフォス、ケフラヴィーク、
ゲイシル、ブルーラグーン……。
退屈な国よ。
オーロラが見えるそうだけど、
私が住んでいた町では、
見たことがないわ。
つまり「寒いこと」が、
観光になるような国ね。

アイスランドの男たちはとても勇敢で、
誇り高くユーモアがあって喧嘩早かった。
漁が終わると男たちは、
ストーブがあるパブに集まってきて、
水代わりにウォッカを呑みながら、
わたしの歌を聴いていた。
時にはわたしを口説きながら。
時には涙を流しながら。

恋?
どうかしら。
男はあれをそう呼んでいたわ。
太くて傷だらけの腕に、
漁の神様の入れ墨を入れているくせに、
自分の影には怯えて、
灯りの下には立てなかったような男。

あの日、
磨りガラスに貼り付いた水滴みたいに、
ボロボロ泣いていたわ。

その日も雪が降っていたわ。
海にも雪が降っていた。
よく「しんしん」と言うでしょ?
雪が降る音。
あれは本当ね。
本当に「しんしん」と雪が降っていた。

小さな漁船が目に止まったの。
船の舳先からのびたロープに、
油の染みたハンカチが、
ひっかけられて揺れていた。

わたしそれを取ろうとしたの。
どうしてかって?
さあ……。
その時ハンカチが、
必要だったからじゃないかしら。

そうしたら落ちたのよ、
海に。
別に事故というワケでもないわ。
ただそこに落ちていたんでしょうね。
わたしの人生みたいなモノが。
そこが砂漠でも、
そう大した違いはなかったと思うわ。

水道の水も凍るような場所よ。
海の水は冷たかった。
わたしは莫迦なアヒルのように、
足をバタバタさせた。
だけどどこにも足の付く場所なんてなかった。
なにもなかったのよ。
だって海なんですからね。

二つの肺の中が、
塩水でいっぱいになった。
体中の血が、
フローズン・ダイキリの赤いのみたいに、
凍っていくのがわかったわ。

蜜蜂のザラザラした舌で、
舐められているように、
体中が痺れて心臓の音が、
小さくなっていくのがわかったわ。

わたしは海を見ていた。
いいえ。
海に見られていたのね。
死んでいくわたしを、
海が見ていたの。
きっとあの世から見れば、
わたしも海の続きね。

ああ、
これから夜が始まるのね。
そう思ったわ。
そして死んだの。

三時間四十二分。
三時間四十二分、
心臓が止まっていたらしいわ。

病院で息を吹き返すまでの間、
わたしの心臓は止まっていたの。
わたしはそんなに長い長い間、
死んでいたの。

そう。
あの映画の上映時間と同じだけ。
「ベン・ハー」の上映時間と同じだけ、
わたしは死んでいたの。

今でも時々、
ビデオで「ベン・ハー」を観るのよ。
別に何も思わないわ。
ただわたしを拾い上げてくれた男。
彼がいつも自慢げに被っていた、
父親の帽子が流されてしまって、
それについて申し訳なく思いながら。

体はどこも悪くない。
ちゃんと生きてるわよ。
ただあれ以来変わったことが、
ひとつだけあるわね。

何を食べても味がしないの。
甘いも辛いもなにも。
まったくなにも。
口紅を塗っても、
それが誰か他の人の顔のような気がするわ。

今も海に行って波の音を聞くと、
とても不思議な気持ちになる。
あの時も波の音が聞こえていたし。
目は閉じれば見ずにすむけれど、
耳は閉じることができないからね。

そうね。
あなたのような人からすると、
「枯れている」っていうのかしら。

そうね。
でもわたし、
ずっとここに来たかったのよ。』


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今日はそして、再び、ファンになりました。
私もスタイルのある女性を目指します!(*^^*)

LIVEがあったら絶対に行こう~!!


どうもありがとうございます☆