今日はいま一番注目しているコンビの演奏会。ザルツブルク音楽祭で衝撃を受けてもう2年か…。日本で聴くのはデュトワとの前回来日以来3年ぶり。
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35(Vn.ギル・シャハム)
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番よりgavotte(アンコール)
・マーラー:交響曲第1番 ニ長調《巨人》
・ベートーヴェン:《エグモント》序曲(アンコール)
チャイコフスキーのソリストは初めて聴くギル・シャハム。時にはオケの方を向きながら楽しそうに弾く姿を見てると、こちらまでなんだか楽しくなってきます。客席もノリノリな人が多かったです。
席のせいか、ややオケとのバランスが気になる箇所もありましたが、熟練の渋い音色と流石の技巧を聴かせてくれました。アンコールのバッハではこの人の音色の良さがチャイコフスキー以上に伝わってきました。
後半のマーラーは、もう少し劇的な演奏になるかなと予想してましたが、かなりオーソドックスなアプローチ。ボストン響の音色は明るく芳醇で、とても聴きやすく、特に管楽器の柔らかさと自在さは特筆すべきものがあると思います。アンコールの《エグモント》ではその特性が存分に活かされていて、この日一番の出来栄えに感じました。
昨日は大阪公演のあとにレセプションもあったようで、恐らく当日川崎入りだったと思います。そのせいかやや疲労もあるように感じる演奏会でしたが、それでもこのクオリティを保てるのは素晴らしい。
今日の席はPブロック寄りのLAブロック1列目だったので、ネルソンスの指揮姿を堪能することができたのですが、音楽づくりだけでなく指揮姿も師匠のヤンソンスにそっくりでした。ただ、オケのドライブ能力とか弱音の歌わせ方とか、やはりまだヤンソンスの方が一日の長があるなーと感じます。ヤンソンスの実演はいつも安定していて本当に凄い。
コンセルトヘボウとバイエルン放送響を兼任した師匠同様、ネルソンスもボストン響とゲヴァントハウスという一流オケを兼任しているわけですが、忙殺されずに今後より深化した音楽を聴けることに期待します。
今日の演奏会も素晴らしかったですが、このコンビは現状ではもう少し物語性のある曲の方が向いている印象。ザルツブルクで聴いた《悲劇的》、《ドン・キホーテ》、ショス10はどれもドラマティックな演奏だったし、今回のツアーではきっと《1905年》が白眉になる気がします。