今年初の野球観戦はマリンフィールドでのホークス戦。去年に続きフィールドウィングでの観戦です。

球場観戦するとホークスには1勝2敗1分けと分が悪いですし、そもそも今年はホークスに未勝利なので観戦前はかなり不安でした…。
が、蓋を開けてみるとドラフト1位ルーキー・石川の好投と角中の猛打賞の活躍で4-0の快勝!まさかホークスをシャットアウトできるとは。。

今日は石川以外にも吉田、三木、井上のルーキー陣がスタメンに名を連ねるフレッシュなラインナップでした。若い力でこれからのマリーンズを引っ張って行ってほしいです。

ついにこのシーズンがやってきました。
ジョナサン・ノットが東響のシェフとなることが発表されたのがもう1年半ほど前。
早く聴いてみたいとずっと心待ちにしていました。


☆ジョナサン・ノット/東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール
(川崎定期演奏会第45回)
・武満徹:セレモニアル(笙:宮田まゆみ)
・マーラー:交響曲第9番 ニ長調


就任披露演奏会とも言えるこの演奏会でいきなりマーラーの9番。
しかも武満との組み合わせというとても意欲的なこのコンビの強い意志が感じられるプログラミングです(翌週にはウェーベルン、シューベルト、ブラームスというこちらも魅力的なプログラミング。)。

セレモニアルは初めて聴きましたが、笙の音色が優しく儚いオルガンのような音色で空間に神秘的に響きわたり、ぐっと心を奪われました。武満は普段あまり聴かないのですが、こういう和の雰囲気を活かした静謐で美しい曲は武満にしか書けないだろうなと思わせられます。
ちなみにノットは8年前のバンベルク響との来日でもセレモニアルを取り上げていましたね。自分はプロコフィエフのVn協奏曲とマラ5の日を聴きましたが、たしか未完成とベト7と組み合わせていたはず。思い入れが強いのでしょうか。

メインのマーラーは熱演!
ノットのタクトは第1楽章からかなり遅いテンポで厭世的、退廃的なマーラーの世界観を創りあげていきます。おどろおどろしい音楽でしたが、それでも各楽器のアンサンブルやバランスは明晰で、聴いていてもたれることはありません。
第2楽章、第3楽章のようにリズミカルでグロテスクな近現代的音楽はノットのお手の物。非常に完成度が高い中に熱量も感じられ、美麗と醜悪が共存した見事なアプローチ。
アタッカで突入した終楽章も息の深い深遠な演奏。洗練された弦楽器の音色に純度の高い管楽器のハーモニーが重なり、まさに彼岸の音楽。長さを微塵も感じさせない渾身の演奏でした。最後の静寂の余韻も自然と長く続き、素晴らしかったです。


期待通りの演奏会となりましたが、長い年月をかけて今後このコンビがどう進化していくのか、非常に楽しみです。
3か月連続の新国立劇場、今日はその2か月目の演目です。


☆ギュンター・ノイホルト/東京フィルハーモニー交響楽団@新国立劇場
ベルク:歌劇《ヴォツェック》(アンドレアス・クリーゲンブルク演出)

○キャスト
ヴォツェック…ゲオルク・ニグル
鼓手長…ローマン・サドニック
アンドレス…望月哲也
大尉…ヴォルフガング・シュミット
医者…妻屋秀和
第一の徒弟職人…大澤建
第二の徒弟職人…萩原潤
白痴…青地英幸
マリー…エレナ・ツィトコーワ
マルグレート…山下牧子
マリーの子供…池袋遥輝
兵士…二階谷洋介
若者…寺田宗永
合唱…新国立劇場合唱団


5年前にもプレミエとして上演されたこの《ヴォツェック》。そのときも観ましたが、《ヴォツェック》自体初体験だったこともあり、音楽も演出も衝撃的なものだったことを今でも覚えています。
クリーゲンブルクの演出は宙に浮いた部屋を起点として舞台上は水で覆われ、その跳ねる音がパシャパシャとベルクの音楽と共鳴し、このオペラの不気味さをより浮き立たせます。そしてまた、サングラスと黒服に身を包んだ物言わぬ男たちやマリーの子供といったほぼ黙役のキャストが存在感があるのです。しかし3幕ラストでマリーとヴォツェックが死に、子供たちがひとしきり騒いだあと、マリーの子供がヴォツェックの死体の上に座るという演出だったのですが、5年前もこんなラストだったかな?今回はこの子供が貧しく哀れな大人たちを俯瞰して見てるかのようでした。

歌手陣はやはりゲオルク・ニグルが素晴らしかったです。ヴォツェックの臆病さや優しさ、そして狂気を入魂の歌唱で聴かせてくれました。シュプレヒ・シュテンメもベルクの複雑な十二音技法と合わさり、緊迫感を煽ります。エレナ・ツィトコーワのマリーはやや可憐過ぎたきらいがあるかもしれません。安定感は流石でしたが。2人の脇を固める歌手陣もレベルが高かったです。
東フィルの演奏も破綻なくまとめていましたが、演奏も演出も含めて総合的には背筋が寒くなるような印象が5年前の公演よりも薄れた印象。2回目だからかな。


本当に陰惨とした救いのない物語ですが、《ピーター・グライムズ》にしても《ヴォツェック》にしても、この救済のなさにしか生まれないであろう厭世的な美しさに自分は強く惹かれます。このような作品も芸術の一つの境地なのでしょう。
今日は後輩からエキストラとして呼ばれたブロカート・フィルの本番でした。
乗り番はシューマンの《マンフレッド》序曲とブラームスの1番で、両方とも後輩の隣で2ndとして吹かせていただきました。

ドイツ物はなかなかやる機会に恵まれなかったですし、大好きなブラームスとシューマンが吹けて貴重な経験をさせてもらいました。指導者のN響の先生方もわかりやすく熱心に教えてくださる方々ばかりで、短い間でしたがとても勉強になった時間でした。

ただし、本番は悪い意味で緊張感に欠けてしまい、自分としては納得のいく演奏ではありませんでした。エキストラという立場のせいか、どこか他人事のような心持ちだったのが原因なのでしょう。正直楽器を始めて今までで最低の演奏をしてしまったと思います。反省するしかないです。
オケとしてもシューマンとブラームスはやや浮き足立っていた感があり、練習の方が良いパフォーマンスだったのではないかと思います。やはり本番は難しい。

そんな中でも後輩と久しぶりに一緒の舞台で演奏できたのは嬉しかったです。
高校大学と一緒にやってきましたが、自分とは比較にならないほど上手な後輩で、いつも隣で勉強させてもらってます。またどこで同じ舞台に立てるといいな。
インバル/都響のマーラー・ツィクルスもいよいよラスト。
7月に番外編の10番はありますが、今日が集大成といってよいでしょう。
インバルのマーラー9番はたしか9年前にベルリン響との来日公演を聴きましたが、このときはインバルの体調が芳しくなく、途中に休憩を挟みながらの指揮だったため、心配が勝ってあまり演奏自体の印象は残っていません…。


☆エリアフ・インバル/東京都交響楽団@横浜みなとみらいホール
(インバル=都響 新マーラー・ツィクルスⅨ)
・マーラー:交響曲第9番 ニ長調


今日の演奏はやはり期待通り、相当に熱の入ったインバル節全開の濃厚なマーラーでした。
都響も相変わらず分厚い音響で、多少の瑕はありましたがこれだけの力演ならさほど気にもなりません。
ただ、たしかに素晴らしいマーラーであったことは疑いの余地はないのですが、何かこの曲の持つ諦観のような言い表しがたい機微があまり感じられなかったように思います。力技で押し切られてしまったかのような印象。特に両端楽章はもう少し深遠な表情付けがあったらと感じました。

8番は大変な名演だったみたいなので、チケット取り損ねたのが悔やまれます。