明日は帰るだけなので、今日が実質ザルツブルク最終日。
終日自由行動だったので、朝食後、バスに乗ってヘルブルン宮殿へ。迷いそうになったけどなんとか辿り着けてよかった…

この宮殿ではガイドツアーがあり、有名な仕掛け噴水を解説付きで体験させてもらえました。勇敢な人たちはびしょびしょになってました(笑)
至るところに仕掛け噴水があって、昔の人にもこんな遊び心があったんだなーと感心しました。宮殿は外観も内観も荘厳で美しく、庭園にはサウンド・オブ・ミュージックで有名なガラスの家もあって、とても楽しめました。敷地も広く、観光客がいても混雑している感じは全くしないので、落ち着いてゆっくり過ごすことができます。

ザルツブルクは、旧市街は音楽祭中ということもあって賑やかですが、新市街はそんなに混雑していないし、街全体が穏やかな雰囲気で大好きになりました。

夜はこの旅の最後の演奏会です。

☆アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団@ザルツブルク祝祭大劇場
・R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》op.35(Va.スティーヴン・アンセル、Vc.ヨーヨー・マ)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 op.93
・ショスタコーヴィチ:《モスクワ・チェリョームシキ》よりギャロップ(アンコール)

前半のR.シュトラウスのソリストは、ボストン響ヴィオラ首席のスティーヴン・アンセルとヨーヨー・マ。ザルツブルクならではの豪華な競演。
こういう元々ストーリー性のある曲だと、より一層ネルソンスの指揮の劇的表現が映えます。スティーヴン・アンセル含めたボストン響の熱くなりながらも渋い音色とヨーヨー・マの情熱的なソロの丁々発止の掛け合いが、一寸の弛緩もなく、R.シュトラウスの世界を表現してくれました。
ただ、ホールの特性かもしれませんが、若干ソロがオケに埋もれてしまう箇所もあったのが残念。しかしそれでもヨーヨー・マは圧倒的な存在感を発揮していました。

後半はショスタコーヴィチの10番。早稲フィルの卒演で取り上げた思い出深い1曲です。この曲と《悲愴》、プロコフィエフの《ロミオとジュリエット》は自分の中で特別なものがあります。基本的に好きなのはドイツ物なのですが、どれも実際に自分がやってみて魅力に気付いたり、苦労したり、シーズンの思い出が多い曲です。

第1楽章は息の長い、暗い深海の中にいるかのような音楽。特にウィリアム・ハジンズの深い音色のソロが印象的でした。
暴力的なスケルツォである第2楽章。自分が演奏したときは譜面を追いかけるだけで精一杯でしたが、比べるのもおこがましいですが流石はボストン響。完璧なアンサンブルと表現力の音の洪水を創りあげていました。木管の音の粒もはっきり聴こえるし、フレージングも明瞭で、この5分ほどの短い楽章で世界屈指のオーケストラだということが改めて感じられました。
第3楽章では所謂DSCHの音型が不気味に奏でられ、ホルンの寂しく儚げな咆哮が響き、終楽章の序奏も異様な雰囲気を醸し出す遅いテンポ設定。Allegro以降は推進力がどこまで高まるのかと思うくらいの勢いでしたが、オケのアンサンブルは一糸乱れず、息をするのも忘れそうになるくらいの緊張感を保ったままフィナーレまで突き進みました。アンコールもブラボー。

昨夜のマーラーより金管は抑えめにしていたように聴こえましたが、その分木管のフレーズがよく浮かび上がり、全体としてとてもまとまりの良い音になっていました。ネルソンスの指揮はやはりドラマティックで、最初から最後まで全く飽きさせません。本当に凄いコンビだ。

{0342E7F8-2795-4F57-99C9-0D7F30FA16C7}


{913630C9-A7DB-45CF-B93F-B0696D33D6BB}


ザルツブルクの旅4日目。今日は朝から遠出です。
元々は予定されていなかったのですが、添乗員さんのご厚意でザルツカンマーグートに連れて行ってもらえることになりました。

朝食後、ザルツブルク中央駅まで徒歩で移動し、バスに乗ってザンクト・ギルゲンへ。
モーツァルトの母親の故郷でもあるこの小さな町は、広場にモーツァルト像が佇んでいます。落ち着いた可愛らしい町でした。
ザンクト・ギルゲンから遊覧船でザンクト・ヴォルフガングへ。
船着場から少し歩くとシャーフベルク登山鉄道が。登った山の頂上から見る景色は天候にも恵まれ最高でした。

下山後はのんびり昼食を取り、ホテルで少し仮眠。夜はいよいよボストン響です。
ザルツブルク音楽祭への登場はなんと24年ぶりだそう。

ボストン響にはサイトウ・キネン・オーケストラでも吹いているウィリアム・ハジンズという名手のクラリネット奏者がいまして、彼の音色は落ち着いていて味わい深く、いつもお手本にしています。


☆アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団@ザルツブルク祝祭大劇場
・マーラー:交響曲第6番 イ短調《悲劇的》


ネルソンスを聴くのは初めてでしたが、度肝を抜かれる演奏でした。

比較的速めのテンポで推進力に溢れる第1楽章。アメリカのオケらしく金管楽器に存在感があるものの決して粗暴にはならず、息の長いフレージングでこの長大な楽章を全く飽きさせません。
スケルツォ、アンダンテという配置の中間楽章もオケのあまりにも豊穣な響きに酔いしれるうちにあっという間に過ぎ去り、終楽章も運命に打ち倒される英雄の情景が目の前にあるかのような圧倒的な演奏。

ネルソンスの指揮にはドラマ性があり、音楽が生きています。ボストン響の高い機能性もばっちりハマり、なかなか聴けない水準のマーラーに出会えました。

明日のショスタコーヴィチも一層期待が高まります。

{CEB110E2-BA7C-4EE1-81DC-76584C5C4810}

{05A7ADD1-B885-4E3B-B21A-6A687A0D6D4D}





ザルツブルク3日目後半です。

モーツァルテウム管の演奏会後は、昼食を求めてふらふら。

ウィーンでも訪れたけど、やはり本家もということでホテル・ザッハーのカフェへ。
ウィーンのお店とは違い、カフェテラスの席数もそこそこ多く、いまいち勝手がわからずしどろもどろ…。
店内の空いてる席に座ってたらウェイターさんが注文取りに来てくれて一安心。もちろんザッハトルテをオーダー。ザッハーで食べるザッハトルテはやはり格別の味です。

ホテルで一休みしたら、夜は祝祭大劇場へ。今回の旅で唯一のオペラです。

☆フランツ・ウェルザー=メスト/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団@ザルツブルク祝祭大劇場
・R.シュトラウス:歌劇《ばらの騎士》(ハリー・クプファー演出)

〇キャスト
元帥夫人…クラッシミラ・ストヤノヴァ
オックス男爵…ギュンター・グロイスベック
オクタヴィアン…ゾフィー・コッホ
ファーニナル…アドリアン・エレート
ゾフィー…ゴルダ・シュルツ
マリアンネ…シルヴァーナ・ドゥスマン
ヴァルツァッキ…ルドルフ・シャシング
アンニーナ…ヴィーブケ・レームクール
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団、ザルツブルク祝祭児童合唱団

去年プレミエのクプファー演出によるプロダクション。NHK-BSでも放映されたものなので、予習はできていました。
クプファーの演出は、2007年のベルリン国立歌劇場《トリスタンとイゾルデ》、去年の新国立劇場《パルジファル》と実演に接する機会が多いです。スタイリッシュで過度な装飾がなく、それでいて美麗な演出なので好きな演出家です。
歌手もストヤノヴァは卒業旅行のウィーンでドヴォルザーク《レクイエム》、レームクールは新婚旅行のウィーンで《ロザムンデ》と接したことがあったので、なんだか身近に感じられるキャスティング。

演奏は、冒頭の音楽から薫り立つようなウィーンの音。《ばらの騎士》を生で聴くのは初めてでしたが、こんな音を出せるのは現在ではこのコンビだけなのではないかと思いました。この独特のうねりというか、ウィーン・フィルならではの音に全編を通じて鳥肌が立ちっぱなしでした。
歌手は主役の女性3人も素晴らしかったですが、グロイスベックが演技力も際立っていて圧巻でした。ゾフィーはシュルツも良かったけど、去年のエルトマンでも聴いてみたかったな…。

ウェルザー=メストの指揮は、完全に十八番といった感じで、オケの緩急も自由自在。演出とも相まって極上の音楽体験をさせてくれました。

18時開演だったので、終演後ホテルに戻ったのは23時頃。
これでこの旅の前半も終了です。
{BE8833D1-09FA-4B58-AA7B-E8E9285164E5}

{30C79504-8B14-4E7E-B4E7-72F7D52DC7FF}

{70292484-1616-4921-88AE-5DB82485BAAA}

ザルツブルク3日目です。
今日はマチネとソワレの二本立てです。

晴天のため、朝食バイキングは外のテラスでいただきました。レストランは6階のため、晴れていると景色も素晴らしいです。

朝食後、のんびりミラベル庭園を散歩し、庭園の外に出たら州立劇場の曲がり角を右折し、マリオネット劇場を右手に見ながらモーツァルテウムへ。
どの建物も美しく、歩いているだけで楽しくなってしまいます。


☆アダム・フィッシャー/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団@モーツァルテウム
・モーツァルト:交響曲第1番 変ホ長調 K.16
・モーツァルト:ソプラノとピアノ伴奏と管弦楽のためのレチタティーヴォとロンド《どうしてあなたを忘れられようか》《恐れないで、愛する人よ》 K.505(Sp.アネット・フリッシュ)
・シューベルト:交響曲第8番《グレート》 ハ長調 D944

会場のモーツァルテウムは内装も絢爛で目を奪われました。ホールとしての響きも祝祭劇場より良いように感じます。
モーツァルトの1番は初めて聴く曲。簡素ですが、最初の交響曲とは思えないほどの完成度です。モーツァルテウム管の演奏も溌剌としていて、爽やかな風のような演奏。
アネット・フリッシュを迎えての歌曲は、事前の情報では2曲でしたが、《イドメネオ》からのアリアも加えられ、休憩を挟んで3曲が演奏されました。3曲とも雰囲気が異なる曲でしたが、どれも圧倒的な歌唱力と迫力で、完全に世界に引き込まれてしまいましたね。特に《イドメネオ》のアリアは狂気を感じさせる場面のものでしたが、まるでオペラ全編を聴いているかのよう。

最後の《グレート》は、最近EMQでやったばかりだったのでいろんな箇所を注意深く聴けてよかったです。管楽器の音が透き通るような綺麗な音で、うっとり。アダム・フィッシャーのアプローチは奇を衒わないもので、これも爽やかな印象を残しました。

{C8D5BFDA-BED1-48C7-851E-C1BEA3F219F9:01}





晴天に恵まれたザルツブルク2日目。
宿泊先のクラウンプラザ・ピッターで朝食を食べ、ミラベル庭園を少し散歩し、いよいよザルツブルク音楽祭へ。
滞在中5公演聴く予定となっていて、最初の演奏会はバレンボイム/ウィーン・フィルのマチネです。

☆ダニエル・バレンボイム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団@ザルツブルク祝祭大劇場
・マーラー:交響曲第9番 ニ長調

バレンボイムのマーラー9番は、8年前にベルリン・シュターツカペレの来日公演でも聴きましたが、当時の解釈はなんだかせかせした演奏で、オケ自体に瑕が多かったこともあり、あまり良い印象ではありませんでした(海外オケの来日公演でもワースト3に入るくらいがっかりした気が…)。
しかし、今日の演奏は当時とは打って変わって慌ただしくもなく、反対に耽溺し過ぎることもなく、非常に洗練されたバランスの良いマーラーが聴けました。
管楽器は音量も表現もやや抑え目にし、ウィーン・フィルの弦楽器セクションの美音が最大限に活かされるバランスになっていたように聴こえました。
バレンボイムがウィーン・フィルを振ったCDは、自主制作のモーツァルト&ラヴェルとシェーブルン・コンサートくらいしか聴いていませんが、どちらもオケの音が美しくも力強くなっていたので、今日の演奏を聴いた感じでも両者の相性はかなり良いように思えます。

一度ホテルに戻って昼食を取り、スーパーに買い出しに行ってからはモーツァルトの住居&生家を廻り、旧市街散策後にホーエンザルツブルク城へ。ディナーと室内楽演奏会がセットになったコースを申し込んだのですが、室内楽は予想以上にレベルが高く、夜景も楽しめたし素晴らしかったです。

{D04686C5-F785-412A-A901-E0E85453DDD3:01}

{DD81A7EF-F551-4D1E-AE0B-9D4EF16FC99A:01}