私の勤務先である認知症病棟では
年末年始とコロナクラスターに見舞われました。
さいわい重症者はいなかったものの
微熱を繰り返す人
咳が続く人
トイレ以外は寝て過ごす人と
普段の活発さが減少し
認知機能の低下がまた進んだと感じる
患者さんが増えた印象です。
今日は そんな患者さんの中から
姿勢を変えたことで
活動レベルが上がってきた方(以下Aさん)を
ご紹介したいと思います。
若年性の前頭側頭型認知症の患者さん
Aさんは前頭側頭型認知症の患者さんです。
普段は 気の向くままに
病棟内を歩ける身体能力をお持ちです。
まだ65歳未満とお若いのですが
言葉を発することが無くなって久しく
最近は
目に留まった人の後を
なんとなく追いかけてしまう以外は
ぼんやりと過ごしていることが
目立っていました。
さて
Aさんは 年末にコロナ感染し
ベッドから起き上がる力もないほど
ぐったりとして
10日以上を過ごしました。
大好きだったご飯も
食べる動作ができなくて
介助が必要となり
一日中 ベッドで寝たまま
起き上がることもなく
職員が支えないと 座っていられないほど。
もしや このまま寝たきりか?
と職員は危惧していました。
ですが Aさん。
車いすに座ったところ・・・
食事を見たら手も伸びるし
周囲の動く人影に 追視も見られるように![]()
あきらかに 動きが増えたんです。
目からの刺激 身体の動かしやすさ
ベッドで寝ているときのAさんに見えるのは
中空から天井の景色
重力の影響やベッドに寝ているせいで
頭も身体も動かしづらい状態です。
でも 車いすや椅子に座ると
頭も身体も動かしやすくなり
見える範囲も 大幅に増えます。
細かい作業をするとき
寝て行うより 座って行う方が
よりスムーズに上手く
手を動かせませんか?
自発性が低下するという特徴もあるからこそ
前頭側頭型認知症には
万引きしてしまう とか
同じ行動を繰り返す とか
抑制が効きにくく 我が道を行く
などという 行動を止められない
活発なイメージがあるのですが
周囲に無関心だったり
自発性が低下して
引きこもりがちな面もあります。
Aさんは
視覚からの刺激には反応しやすいものの
ぼんやりしていることが増えていました。
今回 コロナ感染をきっかけに
ぼんやり引きこもる感じに
拍車がかかっていたのかもしれません。
いずれにしても
ベッド上から 車いすに移った
そんなささいな姿勢の違いで
Aさんの心身の活動量は大きく変化しました。
私たちが想像する以上に
ささやかなことが
良くも悪くも影響することもあると
Aさんを通して感じた出来事でした。
だから
熱心に離床に励んじゃうんですよね![]()
本日も
最後までお読みいただき
ありがとうございました![]()
介護予防と認知症予防のパートナー

