前回に続き 認知症に伴い
みられることのある
「お困りごとを表す言葉の落とし穴」
について書きます。
今回は「放尿」です。
この場合の放尿とは
トイレ以外の場所に
排尿することを指します。
例えば
認知症のある家族について
医療や介護職員から
「先日から
ときどき放尿が見られます。
見つけにくい
隠れた場所にするんですよね」
なんて言われたら…
皆さんは何を思いますか?
「あ~、そんなことを
するようになったのか」
「なにもかも
わからなくなっちゃったんだなあ」
「迷惑をかけてしまって…」
と以前と違う様子を知り
ショックを受けるかもしれません。
私の中では
「放尿」という言葉だけだと
大胆な犯行に及ぶ人みたいな印象が
なぜか拭えないんですよね。
切羽詰まっただけなのに
トイレ以外の場所に
こっそり排尿していた…
という結果を見ると
「社会性を無くした人」のようですよね。
わざわざ人目を避けるなんて
悪質だとも言えるかもしれません。
ですが
トイレ以外の場所で
排泄してしまった
過去の担当患者さん方をみる限り
・トイレに行くのが面倒で…とか
・職員を困らせようと思って…
という理由で
隠れた場所で排泄はしていません。
トイレを探していたけど
どうしても見つけられず
切羽詰まって
ここなら人目につかないだろう
という場所を見つけて
(しかたなく)排泄した…
そんな方ばかりでした。
的確な言葉でないと誤解が生じるかも
「先日から
ときどき放尿が見られます。
見つけにくい
隠れた場所にするんですよね」
これは 架空の
職員のコメントですが
上記のような表現は
職場でも 稀に聞かれます。
認知症のお困りごとについて
こんな表現での情報共有だけだと
解決にたどり着きづらくなります。
そのうえ
認知症について詳しくない職員が
後日「放尿」現場を見たら
「何やってんの」と注意をして
患者さんを傷つけ
症状を悪化させるかもしれません。
「放尿」という言葉から
「トイレを見つけられず
誤った場所で排泄してしまうのかも」
「トイレを認識しづらいのかも。
どこで困るのか見極めて
サポートしないと…」
というところまで深掘りして
周囲が共有できるかは
知識や経験 または
観察力がないと難しいように
私は思います。
お困りごとの名前だけは多用されるのに
そこに至る理由は
意外と知られていなくて
すべて「認知症のせい」となるのは
理不尽だなあと思います。
つづく
本日も
最後までお読みいただき
ありがとうございました![]()
介護予防と認知症予防のパートナー
