今日は
認知症のある患者さん(以下Aさん)の
食事場面のできごとを書きます。
認知症が進行しても
周囲に適応しようとする能力は
残存していると感じた話です。
Aさんはこんな人
Aさんは重度の認知症で
今は意図する言葉を発することは
ほぼありません。
周囲の音には比較的敏感で
穏やかなリラックスできる曲は好きだけど
大声や強い拍手には「も~」「ああ
」
と不快の表情や声を発します。
生活全般に介助を要すレベルの方です。
Aさんは
入院当初から拒食がありました。
Aさんの食事の取り込み方 before
Aさんには
食事をスプーン介助で
召し上がってもらっています。
昨年末までのAさんは
口の中に入ってきたスプーンや食べ物を
「え」の口で 受け止めていました。
「え」の口とは…
歯やくちびるにスプーンが当たらないように
最低限の開口をしてやり過ごすイメージです![]()
私たちは スプーンで食事をする際は
上唇でスプーンに載った食べ物を
口の中に取り込みますが
Aさんは
唇がスプーンに当たらないように
逃げているようでした。
おまけに 上の歯に
食べ物が引っかかるように
ささやかな調整をしている印象も![]()
このときの食事は
ペースト状にしたお粥とおかず数品でした。
Aさんは食事を飲み込むまでに時間がかかり
食べるのも嫌そうで
とにかく完食までに時間がかかり
食事介助は双方に苦行な印象がありました。
Aさんの食事の取り込み方 after
現在のAさんは
高カロリーの甘い栄養補助食品
「エンジョイゼリー」を
毎食召し上がっています。
食事はスムーズに完食され
穏やかな表情です。
スプーンでゼリーが運ばれてくると
上唇をスプーンに載せて
食事をうまく取り込めてもいます![]()
介助者が変わり 食べ物も変わった
Aさんの変化は
2か月もかからずおきました。
食べ方が変わった理由は2つあると
私は感じています。
1つめは 食べ物が
好みのものに変わったこと![]()
2つめは 介助者が
Aさんに合わせて
うまく介助できる職員になったこと![]()
この職員は
一緒に担当している後輩の作業療法士ですが
患者さんに合わせた
無理のない食事介助が本当に上手なんです![]()
おそらくですが 以前のAさんは
スプーンが歯にぶつかったり
上の歯で食べ物を落とすような
手荒な食事介助を受けていたのだと思います。
Aさんは
嫌いな食事を 不快な方法で摂るしかなく
苦肉の選択が
歯も唇もスプーンが当たらないように
「え」の口にしてやり過ごすことだったのかと![]()
![]()
ですが 食事が好みのものに変わり
担当者も変わり
好循環に転じた結果
スプーンから上手く食べ物を取込めるように
再学習できたんでしょうね![]()
こういった食べ方の変化は
Aさんだけでなく
他の重度の認知症患者さんでも見られます。
認知症が進行しても
毎日繰り返されることは
適応しようと学習されるんだなあと
改めて感じました。
人ってすごいですよね~![]()
本日も
最後までお読みいただき
ありがとうございました![]()
介護予防と認知症予防のパートナー

