今日は
認知症になった方の世界の一端を
シェアしたいと思います。
ご紹介するのは 私が担当している
レビー小体型認知症の女性患者さん
(以下Aさん)から教えていただいた話です。
スタッフから見た世界
「大変。ひっくり返りそう‼」
あるスタッフが
廊下の手すりをつかみながら
車いすごと後方に傾きかけている
Aさんを見つけました。
近くに居合わせた
複数の女性スタッフが
Aさんの転倒を避けるため
車いすを元の状態に戻そうとするのですが
Aさんは
そのスタッフらの動きを阻止しようと
必死で払いながら
ますます 手すりにつかまって
抵抗していました。
たまたま通りかかった私が見たのは
とにかく必死な女性たちの姿![]()
スタッフから見た世界では
Aさんは何もない ただの廊下で
手すりにつかまり
車いすごと転びそうな患者さんです。
転倒を回避するために職員がしたこと
Aさんは 手すりを固く握りこみ
ギュッと目をつむって
「やめて~やめて~」
と叫んでいます。
職員の 声も姿も全く届かない様子![]()
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Aさんの座っている車いすは
斜め後方に傾き
スタッフが3人がかりでも
Aさんの動きを変えられませんでした。
Aさんとの現状を打開すべく
私たちがとった行動は次の通りです。
一人目のスタッフが
手すりを握りこんでいる
Aさんの右手を 手すりから引き離す。
もう一人のスタッフは
車いすの前輪付近に足を絡めて
踏ん張る?抵抗する?Aさんの足を
前輪に巻き込まれないように抜き出す。
3人目は車いすの後ろに回り
転倒を防ぎつつ
手すりがある廊下から
広い食堂の方へ車いすを押す。
始めは私が右手を担当し
新人スタッフが
車いすを押そうとしたのですが
Aさんに
思いっきり足でブレーキを掛けられたため
私が車いすをウィリーさせて移動しました。
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不安や恐怖を与えない! 車椅子での段差の越え方の介助【車椅子での段差越え】より画像をお借りしました
車いすウィリー(後方に思いっきり傾けての走行)
本来なら やっちゃいかんことです。
やられる側は めっちゃ怖いはずです。
つかまるものがない
食堂中央に移動させられたAさん。
しばらくは目をぎゅっと閉じて
怖さを訴えながら
身動きもしませんでした。
Aさんが興奮していたときに居た世界
大騒動から30分後。
Aさんは まずまず
穏やかな表情を取り戻していました。
Aさんは だれか女性の名を呼びながら
私を手招きで呼び寄せて
さっきの出来事について
涙を見せながら話をしてくれました。
「さっきね 私1万円を盗られちゃったの。
○○(お孫さん?)が好きそうなぬいぐるみが
たった1つだけ 棚に残ってたのを見つけたのよ。
ちょうど1万円 持ってたから
これで買ってあげようと思って
ぬいぐるみを取っていたら
いきなり何人も人が来て
何もかも盗られちゃったの」
「酷いのよ。これだけはって
握りしめてた1万円も無理やり手を開いて
持って行っちゃった
」
ああ それは私の仕業ですAさん![]()
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Aさんは もっと細かく
追いはぎにあったときの
追いはぎたちの動きを話してくれました。
追いはぎではなくスタッフではありますが
それ以外の関わりは 先ほどの騒動と
概ね合っていました。
あの大騒動の前
Aさんは 手すりのある廊下に
大事な人の好きそうな
ぬいぐるみを1つ見つけ 購入しよう
手に取ろうとして 立ち上がっただけ
本当は ただそれだけだったんですよね。
そんなことがあったら私も抵抗するし
ショックも大きいと思います![]()
なかなか伺えない貴重なお話でした
レビー小体型認知症では
認知機能の変動が目立ち
しっかりしている時間と
そうでないときがあります。
Aさんは わりと変動が目立つ方で
穏やかで柔和なときと
高齢の女性とは思えない力で
大興奮されるときの落差が激しめです。
Aさんの興奮時は
たとえばこんな理由があって
抵抗されているんだと知ることができれば
そのときは 大変であっても
まだ 了解できませんか?
貴重なお話を伺えた感謝と共に
1万円を強奪した犯人としては
信頼され
涙しながら話してくれるAさんに
なかなかの罪悪感も覚えました。
めっっちゃ親身になって
聞いている私が犯人ってひどい話です![]()
というわけで 本日は
罪滅ぼしを兼ねたブログとなりました![]()
介護予防と認知症予防のパートナー
本日も
最後までお読みいただき
ありがとうございました![]()

