それは夏の暑い日だった。
 
日も陰ってくると、刺すような日差しは弱くなる。
 
そして鮮明だった景色がセピア色に見えてくる事がある。
 
まさにそんな日だった。
 
私は、ふと気が付くとファミマにいた。
 
さっきまで一緒にいた妻は忘れ物を取りに帰ってしまったらしい。
 
何を忘れたんだろう。
 
よく思い出せない。
 
そんなことを考えていると顔に風が当たった。
 
見上げると天井の業務用クーラーから勢いよく風が吹きだしている。
 
ここのファミマの冷房は頼もしいほどよく効いているのだ。
 
だが、外の暑さはその冷気にも勝とうとしている。
 
私はしばらく店内を歩いた。
 
(つづく)