人生は修行で踊りは荒行。。。
と申しましても、私は滝に打たれたりはしたことないので荒行という言葉を使う資格はございませんが。
 
私の自慢できること、それは師匠に恵まれていること。
それだけは間違いなく言い切れると同時に、自分でも厳しい先生を選んで来たのでしょう。
大学のサークルでフラメンコと出会い初めて床を踏み鳴らした時、地から伝わるエネルギーを全身で感じ『俺、生きているんだ!!』と身震いをしたことがつい最近のよう。
 
本当はサパテアード、リズムだけで良かった。
それだけを追求していくつもりだった当時。
バレエも必要だと言われ週一で習いに行くが、「そんなのアマチュアだ!」とスペイン人に叱咤され、研修員でマドリッドに留学した時、毎朝バレエのクラスに出席した。
しかしそのクラスは当時ハイレベルで、ホアキン・コルテスの舞踊団の子達やプロばかりのクラス。
素人同然の私など相手にされるわけなかったが、怪我をしようがなにしようが一度たりとも休んだことがない。
そんな中、大好きな舞踊手のローラ・グレコらしき人がバーの反対側にいた。
メイクと衣装を着けて踊っている姿しか知らなかったので『よく似ているけど、違うよなぁ。。。』なんて思っていたらバレエの先生が:
「ローラっ!!3か月間何もしていなかったんだから、今日は力を抜いてやって!!」
とやはりローラ・グレコだった。
バケーションで3か月何もしていなかったローラは、バーを持つ手を震わせながら大汗を掻きながら、デベロッペで爪先を目の高さまで上げていた。
 
この時はまだバレエは大嫌いだったし、同じようにスペイン人に勧められたホタ舞踊も大嫌いでした。。。
ただただフラメンコの為と必死にやっていただけで、バレエもホタも好きになるまではえらく時間を要した。
お陰様で今では両方とも大好き!!
 
最初から大好きだったリズムに関しても、けっこう自分から茨の道を進んできた。
しっかりとしたリズムを身につけるため、決して引くことはせずパルマもガツンガツン叩くようにしてきたし、それで喧嘩になったことも何回かあるし、スペイン人と仕事する時も同じようにして怒鳴られ泣きが入ったこともある。
このようにやってきたお陰か、まだ【コンパス】とまでには程遠いが自然に叩いてスペイン人と合うようになってきたのもこの数年。
 
バレエやホタに関しては肉体的な荒行、リズムに関しては精神的な荒行。
しかし誰ともつるむことをせず、常に自分と向かい合っていく姿勢を持っていたのは剣道をやっていたお陰でしょうか。
誰かを誘って「一緒に○○やろうよ!」とはか殊、踊りに関してはやったことがない。
一人の方が好きだし、一緒にやって喧嘩になるもの嫌だし。
やはり踊りの稽古はとても辛いものです。
今は血尿出るまでサパテアードの稽古はしたりしませんが、バレエやホタでは沢山怪我した。
踊り用の身体に変わるまではどうしても体に支障をきたす。
日常生活そのままの体では、舞踊の美には到達できないのです。
注)あくまでもプロの世界のお話ですm(__)m
 
自分は何のために踊っているのか!?
今どうして腕を上げるのか?
何故ここで足を踏んでリズムを出すのか?
 
そんな悩みを持って、踊っていても楽しくない時間を長く過ごした。
今思えば、身体も精神も舞踊のスタート地点に到達していなかったのだと思う。
スタート地点に来るまでがとても長かった。
いえ、未だに「何故踊るのか?」の疑問の答えは見つかっていない。
これを突き詰めると「何故今ここに、この時間に生きているのか?」になる。
これが一生続くのかもしれない。。。
しかし本番を終えた後、お客様に喜んでいただけたことを実感できた時が本当に嬉しい。
 
もっと喜んでいただけるように、最高の時間・空間を過ごしていただけるように。
私が踊る時に、そこの空間がパラダイスのようになることが夢である。