気付いた時には、年は明けていた。

家の大掃除と御節づくりで疲れていた母はつけっ放しのテレビのソファの前でうたた寝で、私はその後ろのテーブルで本を読んでいた。


普段からテレビにはあまり興味がないので読書に耽っておりましたが、その番組が終わった様子に気がつき時計を見たら0時20分。

さあ寝ましょうと母を起こし私は本を持ってお風呂に入る。


小学4年まで祖父母の元にいたので、テレビと言えば時代劇、ニュース、ローカル番組だった。

その他、相撲はもちろん、笑点なんかは懐かしい。


お年寄りと過ごす時間はゆったりと流れる。

例えその番組が面白くなくても「この役者は○○の出身じゃったかのう?」や、「歌手のなんたらと結婚しとったが、ありゃもう別れたか?」などと祖父母たちは会話をして、また番組が面白くなってきたらテレビに集中するという過ごし方は私の好みです。


年末年始の番組というものはどこを回しても同じようなものでつまらなく、昔祖父母と過ごした年末年始の風景を時折思い出しながら大晦日を過ごしておりました。


面白くなかったら会話をし、また面白くなったらテレビを見るという祖父母たちの行動を読書という形で真似をしておりましたが、大晦日の夕方から読み始めた400ページの本が、年が明けて20分過ぎた頃には200ページまで進んでいたので、やはり年越し番組というものはつまらないのでしょう。

バナナマンとオードリーのコントだけを覚えている・・・


ミステリー小説というものを初めて読んだ。

しかし自分から手にしたわけではなく、これを読んでおいてちょうだいと仰る上の方からの課題的な本として授かった。


舞台は江戸の歌舞伎座。

当時の名優たちが出てくる内容と、著者がしっかりとその世界に精通されている方なので当時の芝居小屋の運営方法や舞台機構と演出なんかも勉強できて楽しく読んでいた。


半身浴でその本を読みながら、『へえ~、、、ほぉ~~』と勉強の姿勢でいたが、いつしかその歌舞伎座で起こった三つの殺人事件の犯人を追っている自分に気がつく。


あな恐ろしや、ミステリーもの。。。

勉強になる本は大好きでいろいろ読んできたが、大抵は『今日はここまでにしよ!』と明日への楽しみとして閉じることが出来る。


確かお風呂を出たのは1時半頃で、その後ベットに入り読み続ける。


もう止めとこう、ここまでにしようと思いつつもやがて犯人がわかり、北町奉行所同心とその同心見習いとのやり取りがある430ページ目の風景の中に自分がいることに気がつく。

そしてその空間の中で、彼らの心の葛藤と進み行く道に涙していた時、朝食の準備のために1階へ下りる母の足音が聞こえてきた。


「うちのお店のお客さんでも、睡眠薬を飲まなくちゃいけなくなったりする人がいて危ないのよ~」


と寝不足の私に母は忠告してくれた。


今年ももう年末ぐらいまで舞台のお仕事を頂いている。


こりゃもう、芸道に対する更なる精進と芸に磨きを掛けるべき年だなと実感した元旦でございました。



ugetu


photo by HORI