2回目となる大学入試共通テストが先週末行われました。主題傾向や難易度などどうなるのか不安がありましたが、どうだったでしょうか。

結果的には、リーディング、リスニング共に「前年度並み、もしくはやや易化」というのが実際に解いてみた感想です。とはいえ、総語数は昨年よりも500語程度増加していたので、全ての問題に時間内に解答するのに苦労した人も多かったと思います。

 

以下、出題テーマを見てみます。

 

リーディング

第1問A : フルーツの料理本(画像+文字)

第1問B : キリンの赤ちゃん名前募集ポスター

第2問A : 大学図書館利用案内 

第2問B : ペットについて新聞記事

第3問A : 日本のお祭り体験ブログ(文章+画像)

第3問B : 英国登山の記録(文章+地図)

第4問 : 大学新入生への家具オススメブログ(文章+画像+表)

第5問 : テレビ発明家の伝記(文章+まとめスライド)

第6問 A: 朝型or夜型人間(文章+まとめスライド)

第6問 B: プラスチックとリサイクル記号(文章+画像)

 

第1問から第3問までは比較的読みやすく、答えも見つけやすい問題が多かったと思います。その一方で、後半の大問は多くの情報を分類し、比較しなければない問題が多くありました。受験生は文章の内容が理解できるだけでなく、問いに応じて、情報を時系列で並べ替えたり、計算して比較したり、と複雑な作業を頭の中でしなければ正解に辿り着けない作りになっていました。ここが、文科省的に「思考力・判断力」を問う出題ということになるでしょう。

 

また、今年特徴的だったのは、受験生たちにとって「実際に遭遇する可能性のある状況を想定したトピック」が多かったということです。例えば、第2問Aは、大学のサマープログラム参加時の、図書館の利用案内でした。また第4問は、一人暮らしをする新入生が家具をリサイクルショップで買うか、それとも家電量販店で買うか?についての意見を書いたブログ記事でした。

 

イギリスに関するトピックが多かったのも今年の特徴でした(第2問A、第3問B)

 

また、今年も「環境」に関するトピックが出題されました(第6問B: プラスチックの種類によって人体に影響があるかどうか、リサイクルできるかどうかについての記事)。SDGs関連の記事についてはこれからの私大一般入試、国公立個別試験でも出題されることでしょう。

 

 

〜加藤先生からのコメント〜

 

-長文の題材としては、何かしら日本と関係があるものが複数見られる

-答えになる箇所が文章のあちこちに散らばっている割に、比較すべき情報量がとても多く、必ずしも設問の順番通りに答えがあるとは限らない(そうでないものが多数見られる)。

-段落ごとに丁寧に要約したりする読み方は、共通テストに関して言えば適していないと感じた。

-ひっかけ問題はある反面、逆に紛らわしい選択肢はそこまで多くないと感じた。

 

とにかく早く読まなくてはいけないので、日頃からいかに文章を読んでいるかが、ものを言うと思いました。何度も照らし合わせて読むのを少しでも減らすために、文章がしっかり読める人は、一度パッセージ(長文)を読んでしまって、文章の流れを理解してしまってから設問を解くのもありかもしれません。