ご覧くださりありがとうございます。
前回の続きです。
「授業中に机におもちゃを並べる。という行動の消去」についてです。
ターゲットは「おもちゃを並べるという『こだわり』の消去」で、
ゴールは「机におもちゃを並べることなく授業に参加する。」です。
この二つは動かしません。特にゴールを動かすと、子どもが混乱して可哀そうなんです。
例えば、机におもちゃを並べなくなったのに「このプリントに全問正解したらご褒美だよ。」と、別の教示をプラスするとか。。
大人と子供との信頼関係にも影響します。
事前の出来事→行動→結果 で見ると、
授業が始まる→おもちゃを並べる→課題(プリント)をしなくて済む 【回避行動】
という行動パターンがあると思います。それを変える必要があります。
授業が始まる→課題をする→おもちゃを並べることができる
私は、このパターンに持っていきたいと思いました。
授業に参加して課題をすると、ご褒美におもちゃをゲットできる。という正の強化です。
これで、授業中におもちゃを並べる行動を消失させようと思いました。
ということで、行動の形をつくっていきます。
息子のいる教室は、場所の構造化がされています。
勉強をする場所と遊ぶ場所はきちんと分けられていて、カーテンで仕切ることができます。
そこで、他のお子さんの邪魔にならないように、遊ぶ場所に椅子を持ってきて座らせました。
まずは、授業が始まったら、私が子どもに「習得済みの課題」をさせます。
息子と私は、ABAセラピーを続けてきましたので、私が「パチパチ」したら子どもも真似して「パチパチ」する(動作模倣)とか、「バンザイ」と言ったら子どもが「バンザイ」をする(音声指示)とかはすぐに出来ます。
そういう、すぐに出来る課題を3つします。できたら、おもちゃを手渡します。
息子は、なんだかんだで
「お椅子に座って。」とか「こうして。」とか「お名前は?」などの教示に従えます。
始めはかなり抵抗していましたが(大人はここでくじけないことが大切)、教示に従えばおもちゃをゲットできる、自分の自由にできる。と分かったので、時間とともにスムーズになりました。
それで、簡単な課題を繰り返ししながら(ご褒美と休憩もたっぷりとりながら)、お椅子を少しずつ、息子の机に近づけていきました。
簡単な課題とは、ABAセラピーをしていなくても、紙に○を描く。とか、お名前を言うとかでも大丈夫と思います。
それが順調に行きだしましたら、今度は、おもちゃをカバンの中に入れて、私の教示に従えたら、かばんの中からおもちゃを選ばせて遊ばせました。
ある程度遊んで課題に戻るときには、おもちゃは息子の手で、カバンに戻すようにしました。
もし、かんしゃくを起こしたりして、やらないときには、私の膝の上に乗せたり、手を取って一緒に(プロンプト)しました。
とにかく、
授業が終わったら、おもちゃで遊べる。おもちゃは必ずカバンにしまってから授業を始める。
を徹底して教える。ということです。
そしてゴールである「机におもちゃを並べることなく授業に参加する。」を達成します。
ABAでは正式には、なんていうのかな。ちょっと調べてみよう。
私は「行動をスライドさせる。」とか勝手に言ってますけど。。。
・・・なんか、回りくどく書きましたけれども、上記は「当たり前の事」を「当たり前にする」練習をしただけです。
それをできるだけ、楽しく-。或いは子どもが自ら「やりたい!」と思えるように、誘導します。
もちろん、これが唯一の正解だとは思いません。息子には合いましたけれども。
いろいろな良い方法があるとは思います。
ちなみにゴールまでは、このときは2時間かかりました。
思ったよりも、早かったです。かんしゃくもそこまで長引かなかったです。
続きます。よろしくお願いいたします。