1945年3月21日、野中少佐のような超熟練搭乗員を逝かせてしもて五航艦は気でも狂ったか!?の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

野中五郎少佐は、二・二六事件の首謀者の一人

 

野中四郎陸軍大尉の弟で、海軍に入隊。

 

開戦時は第1航空隊分隊長としてフィリピン空襲に参加。

 

野中少佐が所属する752空は、1943年初頭に

 

一式陸攻へ機体換装を経て、以来ずっと陸攻と共に

 

戦場の空を駆け巡りました。

 

 

 

 

 

 

5月12日、敵がアッツ島に上陸したため、

 

752空は幌筵島に進出し連日爆撃を行います。

 

11月、 今度はギルバート諸島に大艦隊が現れ

 

タラワに空爆と艦砲の後上陸してきます。

 

 

 

 

 

 

守備隊は奮闘したが、圧倒的な兵力のもと

 

玉砕の道をたどりました。

 

 

ギルバート諸島を手中に収めた敵の次の目標は

 

マーシャル諸島です。

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ、 エセックス、ヨークタウン、レキシントン

 

軽空母カウペンス、ベロー・ウッドを要する

 

第50任務部隊が北から迫ります。

 

400機に近い攻撃隊を発進させ、

 

クェゼリン環礁の各島に向かわせます。

 

 

基地航空隊はルオット、ウォッジェ、マロエラップから

 

索敵機を発進させルオット北北東海上に機動部隊を発見。

 

 

 

 

 

 

ルオット駐留の752空を率いる野中少佐の陸攻9機が発進。

 

エニウェトクからも753空の陸攻8機が発進。

 

752空は機動部隊を発見し攻撃に移り、2機損傷するも全機帰還。

 

空母と巡洋艦各1隻撃沈、空母1隻撃破を報告。

 

753空は空母1隻と巡洋艦2隻の撃沈を報告。 2機未帰還。

 

 

実際はレキシントンに魚雷1本を命中させ中破。

 

その他誤射により三艦が軽微な損傷のみです。

 

 

 

レキシントン

 

 

 

少佐は豊橋飛行場で攻撃第703飛行隊隊長に任命され、

 

錬成に励んでた頃、ひそかに開発された特攻兵器「桜花」が

 

採用され、 桜花を搭載して出撃地点まで運ぶ陸攻隊の指揮官

 

として、1944年10月第721航空隊飛行長に着任します。

 

どうやら彼の技量とその行動力でピックアップされたようです。

 

 

 

 

 

 

少佐は、友軍の戦闘機隊の技量の低下に比べ、

 

敵戦闘機の性能・搭乗員の能力・兵力が優れていること

 

を熟知しており、桜花を搭載して出撃しても

 

やられるのがおちと判断してました。

 

 

3月18日~20日の九州沖航空戦で、

 

高知県南方海上に出現した敵機動部隊を

 

五航艦が特攻で甚大な損害を与えたと判断し、

 

野中少佐らの神雷部隊に出撃を命じます。

 

 

しかし実際は18日の戦闘で、イントレピッド、

 

ヨークタウン、エンタープライズが小破。

 

19日にはフランクリンとワスプを大破させた

 

のみで沈没した空母はありません。

 

 

 

 

 

 

フランクリンを大破させたのは特攻機ではなく、

 

攻406飛行隊の銀河1機の急降下爆撃による通常攻撃で、

 

少佐は本当はこのような攻撃をしたかったのでしょうね。

 

 

 

 

 

 

21日、721空の陸攻18機が

 

第一神風特別攻撃隊神雷部隊として出撃。

 

 

 

 

 

 

306飛行隊、307飛行隊の直掩零戦32機も出撃するも、

 

11機が故障等で引き返します。

 

また制空隊の203空零戦23機もまた12機が

 

引き返してしまいました。

 

 

 

 

 

 

やがて敵迎撃機F6F十数機が現れ、

 

最初に306飛行隊数機が撃墜されます。

 

制空隊203空の指揮官は岡嶋清熊少佐で、

 

開戦時飛龍航空隊搭乗員として

 

真珠湾攻撃に参加。彼もまた歴戦を戦い抜いた

 

戦闘機乗りで、306を襲った敵機に素早く反応。

 

2機のF6Fと格闘してる隙に他のF6Fが陸攻隊を攻撃。

 

新たなF6F8機が到着した時、直掩の306、307の零戦は

 

F6Fに向かって行ってしまい、陸攻隊は丸裸です。

 

306、307は空戦に参加せずあくまで直掩任務を

 

貫徹すべきでした。

 

 

零戦の護衛がなくなったのを確認した少佐は、

 

全機に作戦中止を命じ反転しました。

 

その時点で桜花を投棄すればよかったのに

 

桜花を積んだまま回頭したので、

 

あっという間に敵機に捕捉されてしまい

 

わずか10分で陸攻隊は全滅。

 

 

 

 

 

 

岡嶋少佐ら零戦隊は陸攻隊の護衛に失敗し、

 

少佐自身は喜界島に不時着したが生還しています。

 

 

野中少佐の死には

 

いったいどんな意味があったのでしょう。

 

こんな全滅が目に見えている作戦で逝かせるより、

 

先に述べたフランクリンを大破させた銀河のように

 

ゲリラ的な通常攻撃の指揮官でいた方が、

 

よっぽど海軍航空隊のためになったのでは。

 

 

少佐らの犠牲を教訓とすることなく、

 

桜花を積んだ陸攻の出撃は

 

この後も続いていきます。

 

 

 

 

 

 

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