◎Yahooブログ終了につき
「第弐章」「第参章」「第肆章」
の記事を再掲載しています。
(記事の内容・画像は掲載当時のモノです)
●2016年5月7日の記事から
◎電波探知機・水中音波探信儀
レーダーとソナー。
日本はこれにやられたと
言っても過言ではないでしょう。
日本軍が得意とした夜戦は、
ある意味「第一次ソロモン海戦」まで。
それ以降の海戦は
しばらく痛み分けが続き、
ベラ湾での夜戦以降、
レーダーを活用した新戦術により
訓練に訓練を重ねた日本軍の
夜戦術は通用しなくなりました。
レーダー射撃が確実だったとは言えませんが。
第一次ソロモン海戦で沈んだ重巡加古
日本軍がシンガポールを落とした時、
英軍の資料の中に「YAGIアンテナ」の
項目がありましたが、
その意味を理解できませんでした。
日本の工学者宇田新太郎と八木秀次が考案した
通称「八木アンテナ」が世界で認められ、
各国のレーダーに広く活用されてたにもかかわらず
日本の軍部では消極的でした。
シンガポールで得た情報をもとに
英軍の対空射撃レーダーの
コピーを造っては見ましたが、
その性能を発揮できず研究は進みますが、まだまだ
「優秀な双眼鏡と夜間でも肉眼で
艦艇を発見できる見張員がいる」
と言った意見が大半を占めてたようです。
ちょうどその頃ドイツから
レーダーに関する情報がもたらされ
海軍でも重い腰を上げることになります。
スミソニアン博物館の月光11型(上)と、
メッサーシュミットBf-110双発戦闘機(下)
1942年5月最初の艦船用電探が、
戦艦伊勢に装着されます。
二号一型電探
翌月のミッドウェイ攻略部隊に
伊勢・日向共参加していますが、
レーダーを活用することなく撤退しています。
当時戦艦が空母部隊の輪形に
加わることはまずありませんが、
第一機動部隊傘下に第三戦隊の
霧島・榛名がいたので、
ここに伊勢・日向が代わりにいたとしたら、敵航空部隊の
来襲を探知できてたでしょうか。
これを機に翔鶴をはじめとして
大型艦艇への装着が加速します。
空母瑞鶴に搭載された21号電探
空母隼鷹の21号電探
大和型の21号電探
大和型の1号3型電探
駆逐艦級に搭載された13号電探と、潜水艦にも搭載された22号電探
航空機用レーダーの開発も行われ、
1943年10月に制式採用されました。
十八試空二号電探を装備した月光一一型甲
銀河の機首に搭載された十八試空二号用送受信アンテナ
1944年11月トラックへ輸送任務に就いた時、電探の有効性を実証した
一式陸攻二四型の空六号電探
陸軍四発重爆「飛龍」のタキ1号電探
一方米軍のレーダーは、
CV-6 エンタープライズ(左)と、CVL-26 モンテレー(右)
CV-10 ヨークタウン
左から射撃制御レーダー FC Mark3、
自動追尾射撃制御レーダー SM
四角いのが早期監視レーダーSC、
その下のちっこいのがマイクロ波レーダー SG
一番右が射撃制御レーダー FD Mark4
ごじゃごじゃとややこしいですねぇ。
F6F-3Nに搭載した航空機用レーダー
ANAPS-4(右翼の丸いのがレーダー)
エレクトロニクス最先端の英国から
技術提供を受けただけあって
さまざまなレーダーを活用してあります。
◎対潜水艦用音響探知(ソナー)
音響探知機には大きく分けて2種類に分類されます。
アクティブソナー
音波を発信しその音波が対象物に跳ね返って
くることで対象を探知するソナーのこと
パッシブソナー
艦船の出す音を探知、受信するもの。
水測員が直接に音源の方向と
音色を聴くことが出来ます。
アクティブソナーに比べて
倍以上の遠くから目標を探知出来ます。
日本海軍の駆逐艦などで多く使用されたのは
九三式水中探信儀(アクティブソナー)
九三式水中聴音機(パッシブソナー)
開発当初はなかなかのものだったのですが、
開戦後は米軍のアクティブソナー・無音水深測深儀、
マイクロ波SJレーダー・ヘッジホッグ
などに大きく水を開けられました。
遣独潜水艦作戦で伊号潜が
仏のブレストに到着した際、
独側から
「水中でオーケストラの演奏してきたのか?」
と皮肉を言われるほど隠密性に欠けていました。
敵の調音技術が向上し、
対潜兵器と航空機との連携を図るなどの
戦術により多くの潜水艦を失いました。
独のUボートは第一次大戦からの実績があり、
開戦前に独の電撃戦にばかり
目が行ってたようですが、
Uボートから学ぶ姿勢があれば
敵が対潜戦を確立する前に
もう少し敵艦を沈めれたかもしれません。
海軍編では、空母・伊400型潜・
レーダーとソナーを見てきましたが
各乗組員は猛訓練を積み、特に夜戦などは
敵より早く敵艦を発見で来てましたが、
大東亜戦ではレーダーやソナーの発達が
人力を上回ってしまいました。
空母の配備や潜水艦作戦はとても重要ですが
いち早く敵の来襲を知り備えることで損失を防ぐという面から、
やはりレーダーとソナーの装備が一番だろうと思います。
次回は陸軍のあれこれを見てみましょう。
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