冬至の日です。
冬至は一年でいちばん昼が短い日です。東洋思想では、「陰極まりて陽となる」と言うように、陰のエネルギーが陽のエネルギーに変わる境目なのです。
これから春に向けて、少しずつ陽のエネルギーが増えていきます。体感としては冬になるようなイメージですが、自然界は急に変わることはないので変化を感じ出すのは、2月の立春の頃でしょう。


また柚子湯に入るというのも、翌日から陽のエネルギーに変わり運気が上がるとされることから、境目となる冬至に柚子湯に入って邪気を祓うという伝統によるものだそうです。
その他にも冬至にはこれ、というようなものが幾つかありますが、どれも近い理由があるのでしょう。








そんな冬至の日ですが、夏至や春分・秋分と共に古代からとても特別な日とされてきたようです。
有名なのは、イギリスのストーンヘンジなどでしょうか。




ストーンヘンジは、冬至を始めとした節目ごとの太陽の運行に合わせて作られています。カレンダーの役割もあったのでしょう。

古代の人々は世界中でそういった節目の日には、自然や神に対して祈りを捧げていたようです。



日本でも縄文時代に同じようなストーンサークルが数多く作られており、その中でも秋田県の大湯環状列石はよく知られています。






ストーンヘンジの規模には及びませんが、こちらも円状に石が配置されていて、太陽の運行に合わせて作られています。

またこの遺跡の下は元々お墓があることが分かっており、古代の人々の死生観が太陽の運行に重ねられていたとも考えられます。

冬至は「陰=死」から「陽=生」への移り変わりという解釈で、太陽の再生と故人の再生が重ねられているというわけです。



そのような観点から、古代の人々の感性では冬至などの季節の境目のエネルギーの変化を感じており、そこに死生観や先祖への想いが重なることで、こういった遺跡を生み出したのでは無いかと言えるでしょう。








遺跡に限らず、クリスマスというのも冬至の思想が見え隠れしているのではないでしょうか。数日ずれはしますが、クリスマスはキリストの降誕した日です。この降誕というのも、冬至を境として陽のエネルギーになるというのと重なるのではないかと考えられます。

クリスマスというと、プレゼントやケーキなどイベント色が強い今日この頃ですが、そういった観点から考えるのも面白いかもしれません。



現在はカレンダーの中の一部程度にしか思われてない冬至ですが、古代の人々がこのように大切にしてきた日であり、エネルギーが大きく変わり身体にも影響を及ぼす日でもあるので、少し見方を変えてみると自然というものを感じられるのではないでしょうか。

施術も少しずつ陽のモードに変わっていきそうです。