「ひーんひーん」
「なになにどうしたの」
「あのひとがさあ・・・」
「なに、なんかされたの?酷い値下げでもされた?」
「昨日、ぼくに噛まれて全身に猛毒が回って、解毒剤を求めてレストランで乱闘を繰り広げるって夢みたんだって・・・」
「・・・なんかどっかで聞いたような話だなあ・・・その後なんとか逃れて飛行機に乗ったらパイロットがいつの間にかいなくなっててゴムボートでダイブして流れ流れてインドに到着とかそんなんでしょ、どうせ」
「こんなにキュートで優しげなぼくが自発的に噛むとかひどくない?なんなのあのひとっ失礼しちゃうっ」
「・・・あー・・・まあねー・・・」
「言いたいことがあるならはっきり言えやこらー」
「ぎゃー噛まないで噛まないで」
「本物のカメレオンって毒ないよね?」
「ないよ!毒なら蛇さんの方がお家芸なんだし。」
「まあ、でも毒があるから悪いってわけでもないんだし・・・毒=色鮮やか、みたいな浅薄なイメージが出てきただけじゃないの?あのひと落ち込んでると幽霊屋敷でさまよったりとか、ベタすぎて分析する気も起こらない夢ばっかりみてるじゃない」
「・・・そうかもね・・・じゃあ、昨日の夢は?」
「・・・インディ・ジョーンズ観たいんでしょ。こないだナナフシ見て思い出したらしいから」
「あー、あとトータル・リコールのリメーク観たいとかも言ってたな・・・ほんとわかりやすいわ・・・はずかしい奴・・・」
最後に映画館で映画観たのいつだったかなあ。
ちなみに私の永遠のベストは「天使にラブ・ソングを・・・」です。
多分、自分の中で「お年寄りが幸せそう」というのがツボだからだろうと思います。大量のおばあちゃんがスクリーンいっぱいに元気よくご機嫌で歌って下さり大変喜ばしいです。