「慶_2」「ツバイ・グローサス・ビア・ビッテ!」 | 針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

ヨーロッパでスイスはチューリッヒでの路上テキ屋物語、ドロップアウトした青春ストーリー

「ここの通りにぎやかですネー」
「ウン、毎晩こんな感じで楽しいところサ、ヒッピー仲間もいるしネ」
路上パフォーマンスやテキ屋が列をなし、彼らを見物しているだけでも

ニイダドルフの夜は楽しいのです。

 

 

「ほら、向こうの人だかり、南米の音楽をやっているんだ、上手いヨー」
しばらく彼らの演奏を聞いた後、チップを投げ入れてあげた。 

 

 

すると「hi yoshi...!」パペット人形を売ってるアランが声をかけてくれ、
「hi Alan How yuor business? 」 「So So ... not so bad!」――

「yoshi さんは、お友達がいっぱいいるのですネー」と慶は驚いた様子。
「彼? ウン イギリスから来たんだ、何でも彼、白血病なんだって……」
「見て! あそこでギターを弾いて歌ってる彼女はカナダから――」

「hi Rejane! …」「hi yoshi! you looks so happy! what happening?」
イヤリングを売っているレジャーンに声をかけたら、彼女には瞬く間に
気持ちを見破られてしまった!



イングリッシュ・パブに入り、いつもより心持ち大きな声で
「ツバイ・グローサス・ビア・ビッテ!」とカウンターに頼んだのだー……
楽しい一時も過ぎ、ほろ酔い気分で慶を宿泊先のYWCAに送ってあげたのです。


そこは男子禁制らしく玄関先で楽しかった礼を言い別れました……


するとすぐその後「yoshiさーん!」と辺りに響かぬ声が背後から、慶が静かな
声で呼び叫んだのだよ!
「今、受付に誰もいないから、静かに入っておいでヨー」と…… 

 

――つづく――