ご訪問ありがとうございます。
「いいね」やコメント、とても励まされています。いつもありがとうございます。
「いつもいい匂いがする」と、言われた。
なぬ?と、両腕を持ち上げて脇の下をくんくん確認したのは言うまでもない。←下品
でもどうやらその方は、何か含むところがあってそう言った訳ではなく実にそう思っている風なので私も不思議に思ったが、どうやら箪笥の中に入れている防虫香だと思い至った。
あぁ、うんうん、それね。
いい匂いだよね、私も大好き。おばあちゃんの匂い。
(´・ω・`)
それで思い出したのは、「墨汁の匂い」だ。
若かりし頃に勤めていた会社のF先輩の匂い。
ある日Yさん先輩がランチ中に
「ねぇ、Fさんてさ、習字の匂いがしない?」
と、ボンゴレロッソをスプーンとフォークで器用に絡めて言った。割と唐突な感じだった。
「シュウジ?習字って書道の?」
「そう、その。なんていうんだろう、墨汁の匂い」
「えぇ?気づかなかった。今度気をつけて匂い嗅いでみますね。」
「うん。そうして。墨汁だから。」
そして確かに、Fさんは墨汁の匂いがした。
「ホンとだ!Fさん、墨汁の匂いがしますね。」
と、私が言うと、Fさんは少しきょとんとした顔をした。
「ボクジュウ?」
「そうです、墨です。」
「あぁ、墨汁ね、なるほどね、当たらずとも遠からずかもしれない。」
だけど、その謎は解けなかった。
解けたのかもしれないけれど、肝心なところを忘れてしまったのかもしれない。
結局なんだったのかというと、私の記憶の中には甲冑を入れる箱、甲冑櫃のようなものがそこに紐づいているので、何かそういうような話をしたのだと思う。
あるいは、Fさんは居合をたしなむ人だったからそこからその記憶を紐付けているのかもしれなくて、いずれにしてもFさんの「墨汁」の匂いの正体は未だに本当の所は分からない。ただ、こうして着物を着る生活をしてみると、もしかしたらFさんは衣裳箪笥に防虫香だとかそういった何かを入れていたのかもしれないと今では思う。
匂いといえば、若かりし頃に香水を頂いたことがある。
実際には色っぽい話ではないのだけれど、今から思うとなかなかエロい贈り物だなと思う。何がエロいって、香りというのは衣類を脱いでもまだ纏っているものだからだ。
その昔、海外旅行がまだまだ一般人からは遠い夢のようなものだった時代には、女性へのお土産に、小さな香水や口紅などはとても喜ばれた時代があったという。その頃の名残というにはバブル期を越え、就職氷河期を越えて、海外旅行は国内旅行よりも安くなった時代で、それは時代とか世代とかをだいぶ隔てているのだけれど、でもその香水のお土産はなんとなくそういった種類の、仲の良い女の子へちょっと気の利いたものを贈ろうとして選んだ、という程度のものであった。
一番人気があり、当時とても人気のあった癒し系のタレントさんが愛用しているという香水だったが、私はその香水をとても気に入って、とうとう店先で見つけられなくなるまで自分で何度か買った。
ある人の匂い、というのもある。
同じ香水とか制汗剤とかを使っていてもその人の体温だとかその人の体臭だとか、何かとにかくブレンドされてその人独特の匂いがするのは確かだ。
だから、ある程度年齢を重ねて恋愛を重ねた人は、きっと香りの記憶というものがあるのではないかと思うし、それはとても文学的でロマンチックでエロティックだな、と思う。
雨の日は匂いが立つ。
そろそろ梅雨を思うからなのか、なんとなく香りのことを思い出して書いた。
小奈津
読んで頂いてありがとうございます。
このブログは、にほんブログ村 に参加しております。

応援頂いている皆様、ありがとうございます。