昨日、大学の事務所の1階で、一本の紅茶を買った。
細かいお金を持ち合わせていなかった私。インドネシアの20,000ルピア札を差し出すと、
「お釣りがないから、後でいいよ。」と売店のお兄さんは言った。
インドネシアではこういうことがよくある。
それは普段よく行く大学の売店や食堂、また近所の顔なじみの店だけでの話ではない。
旅先のバリでの話。
バリのビーチで寝そべっていたら、お土産売りのおばちゃんが近寄ってきた。
なんだか太めのおばちゃんだな~と思っていたが、話しているうちに妊娠中であることが判明。
身ごもりながらも、常夏のビーチで汗をかきながら働いているおばちゃんを見て、
おばちゃんが勧める白い花のヘアクリップでも買おうか、という気になったのだが、
生憎ビーチまで現金を持ってきておらず。すると、おばちゃんは、
「後でいいよ。」と言って、わたしにヘアクリップを渡した。
観光客なんて1時間で入れ替わるビーチで。おばちゃんは私が戻ってくることを信じた。
人を信じる人なんだな、と思ったのと同時に、信じてくれたといううれしさ、があった。
無論、おばちゃんはそんなことまで考えていないのかもしれないけれど、
人を疑うことを知らないだけなら、それはそれで羨ましいことだと思う。
わたしがカフェでアルバイトをしていたときのこと。
オーダーされたコーヒーとフォカッチャを作り終えてから、お客さんに、
「財布を忘れてきてしまったから、後で払っていい?」
と言われ、どうしようか迷った。この人を信じてもいいか、信じてはいけないか。迷った。瞬間的に。
「念のためお名前だけうかがってよろしいですか。」と訊いたら、
名前と会社名を教えてくれた。カフェがあるビルの1●階で働いている男性だった。
信じられそうな人だと思い、お金を受け取る前に商品を渡した。
案の定、30分くらいして、その男性は支払いに戻ってきてくれた。男性は何度もお礼を言った。とても丁寧に。
今朝、昨日飲んだ分の紅茶代を支払いに行く時、そのことを思い出した。
少なくともわたしにとっては、信じることは簡単ではなかった、と。
紅茶代2500ルピアをしっかり右手に握りしめ売店に向かうと、売店のお兄ちゃんは、「何のこと?ああ、昨日の?」みたいな対応だった。
たぶん紅茶のことなんて忘れていたんだと思うけど、わたしはそのお兄さんに丁寧にお礼を言った。
インドネシアのTeh SOSRO RP.2,500-(約20円)
日本で言う「おーいお茶」級の定番ドリンク。





