今回は服用しているパーキンソン病の薬アジレクトについてです。
アジレクトはモノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害薬の一つで、
モノアミンの一つであるドパミンを酸化(分解)する酵素を阻害する薬です。
この薬の効果として、ドパミンが分解されにくくなり、脳内のドパミン濃度が高くなり、パーキンソン病の症状を改善してくれます。
アジレクトは「非可逆的」に効く薬で、「非可逆的」とはいったん服用するとその薬がなくなっても効果が持続するという意味です。実際に
で、服用後に1時間くらいで薬の血中濃度はマックスになり、1.5〜3時間くらいで半分程度になってしまいますが、MAO-B阻害効果は最高40日まで持続するとあります。ここを読むと、この薬は1日のいつに飲んでも良さそうです。
そして、毎日飲むことで薬の効果が嵩上げしていき1〜2週間で安定したMAO-B阻害効果を生じるようになりそうです。
この薬は、私が飲みたいと先生にお願いして飲むことになりました。
この薬を飲もうと考えたのは、ドパミンの分解を阻害し、脳内のドパミン濃度が高くなるので、
(1)(レボドパで入れたドパミンだけでなく、)自分のドパミン細胞が作るドパミンの濃度を嵩上げしてくれる。つまり、脳内のドパミン濃度の最低値が嵩上げされる。
(2)レボドパで加えたドパミンも長持ちするので、レボドパの効きも長くなる。レボドパの効きを増幅するので、服用するレボドパの量を減らせる可能性がある。
(3)パーキンソン病進行抑制効果があるかも❓❓❓
という理由です。
特に(3)は、上のパーキンソン病診断ガイドラインに「十分なエビデンスがなく判定不能。TEMPO試験の非盲検継続試験、ADAGIO試験などの結果はエビデンスとしては十分といえず、ラサギリンに神経保護作用があるかどうかは判定不能」と書かれています。しかし、これは逆に取ると、否定もされておらず、進行抑制効果があるかもとのことです。
調べてみると、培養細胞を使ったり動物実験では、同じような進行抑制効果を期待させるような結果が見つかります。もちろん、人と人工的にパーキンソン病のような症状を作った動物では状況は違うのですが、少しでも効果があると試してみたくなりますね☺️
既存のパーキンソン病症状改善薬にパーキンソン病の進行抑制につながる作用を発見
の記事で、
「モノアミンオキシダーゼ-B阻害薬に、パーキンソン病の原因となるαシヌクレインタンパク質を細胞外に排出する作用があることを発見しました。パーキンソン病の根本的な進行抑制治療に向けた応用が期待」
と出ています。
の中で、MAO-B遺伝子発現モデルマウスの試験ですが「MAO- Bを上昇させることにより、酸化ストレスが上昇し、次いでミトコンドリア複合体I活性が低下し、ドパ ミン神経の脱済へと全ることが考えられる。また、MAO-B 上昇後3~ 5日目にMAO-Bレベルを正常化させ、それに続く酸化ストレスの増加やミトコンドリア複合体の活性低下を抑制することによりそれ以降ドパミン神経の脱落へと進展しない ことが示されたことから(図11~13)、MAO- Bを介する酸化ストレスの産生を抑制することにより、その後の神経病態の進展を遅らせる 、または停止させることが可能と考えられる。したがって、MAO- B阻害剤をできるかぎり早期に使用することにより、それ以降の病気の進行を抑制できることを示している。」
ということで、病進行抑制効果がどの程度あるのかは不明ですが、少しでも進行抑制効果があるならと期待して、アジレクト飲もうと決めました😀
アジレクトを飲もうと思った動機でした!
あと、アジレクトはパーキンソン病の薬の中では、比較的副作用の少ない薬というのもありがたいことです。ただし、併用禁忌の薬があることには注意が必要です。あと、デメリットは薬の単価が高く、お財布に優しくないことですね。。。
他にも、MAO-B阻害薬の神経保護の情報あったら教えてください!