「赤鬼エティン」のルーツ『The complaynt of Scotland』 | 働くママ(SOHO編)

「赤鬼エティン」のルーツ『The complaynt of Scotland』

『The complaynt of Scotland/スコットランドの意見書』は、1548年に出版され、ゲール語で書かれている。

イングランド王国に対する批判を含み、当時二級国として扱われていたスコットランドの抵抗の書でもある。当時の歴史や文化、政治的および社会的状況が記録されている。

 

 

1801年出版の英語版に、「赤鬼エティン」のルーツが書かれている。

「ETTIN」は、「べルセルク」、つまり北欧神話の狂戦士に由来する。

彼らは、怒りの発作の際に人肉を貪り、人の血を飲むのが常であった。

それゆえ、巨人やエティンが人間を貪るという物語が生まれたのだろうと、著者は推察している。

 


 

ETTYN, n. (p.98.) a giant. A.S. eten. Hence, red-ettyn, the red giant; forte a A.S. etan, to eat ; hence an antbropopbagus. The Berserkers of the North were accustomed, in the paroxysms of their fury, to devour human flesh, and drink human blood ; and hence probably the romances of giants and etens, that devoured quick men.

 

巨人。エティン。赤い巨人。人喰い人種。北のべルセルク(北欧神話・伝承に登場する、異能の戦士たち)は、怒りの発作の際に人肉を貪り、人の血を飲むのが常であった。それゆえ、巨人やエティンが素早い人間を貪るという物語が生まれたのだろう。

 

 

 

 

戦場で勇敢に戦って死んだ戦士だけが、ヴァルハラに迎え入れられる。

最高神オーディンの宮殿であるヴァルハラを目指して戦うバイキングやノルド戦士、「赤鬼エティン」のルーツとなるべルセルクを思わせる人物は、「ヴィンランド・サガ」のSEASON1に登場する。

 

 

 

深層意識に刻まれた風習や信仰は、仲間内で楽しむ昔話だからこそ語られることはないが、物語の底辺を支える重要な要素だ。

つまり、その土地の歴史をたどり、その昔話や語り手を育んだあらゆるものを追求してゆかなければ、本質が見えてこない。

だから、興味を持ち、掘り返してゆけば、芋づる式に面白い発見が連鎖してゆく。