昔話に「死」は登場せず、「命は永遠に続く」ということを伝えている。 | 働くママ(SOHO編)

昔話に「死」は登場せず、「命は永遠に続く」ということを伝えている。

「命を守るためのおはなし」があるのだろうかと調べる過程で、偶然この本を手に取りました。

 

「おはなし」だけではなく、古来の儀式のなかにも冥界巡礼があると知りました。祖霊や天界と繋がり、懸命に生きてきた祖先の証です。

 

死と再生の民話 (民話の手帖)」は、水上勉氏の「語りつづけねばならぬ」というの序文で始まります。ゴミの不法投棄、高速増殖原型炉もんじゅや石油タンカー座礁による重油流出事故による環境汚染問題を提起しています。

 

山や川、海、土地、人をとりまく全ての自然なるものに神様が宿ると信じてきたアニミズムが息づく日本です。

原発事故や重油で自然をけがして生きることを、先祖は良しとしないでしょう。絶対に。

 

それに気づけば、「失われてゆくものと引き換えにして何を得ようというのか?」という問いかけが始まると思います。

 

 

 

逆に、「命を守るおはなし」というのはその土地に伝わる伝承です。語られる際に最も重要とされる点は、地名を曖昧にしたり変えてはいけないということ。そこには、子孫を災害から守るための強い意思が込められています。

 

それが生き残った者の使命です。

亡くなった人の命を活かす、語り継ぐ、再生させる、残された者を癒すなど、様々な目的があります。