親知らずが欠けた。
気が付くと腫れ上がっている。
公演前に一度欠け、慌てて歯医者に行こうとするも、忙殺されすっかり忘れていた。
そしたら昨日、シチューの中に入っていた、肉の硬いところで再び欠けた…
痛ひ…
歯が痛いんじゃない、親知らずの周りが腫れ上がって、そこが痛いんだ。
ああ、口が閉じられん。頬っぺたもふっくらと腫れ上がっている。
お、ひょっとして…
おお、やっぱりだ。腫れてない方の顔を半分だけ隠して、腫れてる方だけ鏡で見ると、アゴが目立たなくなっている!
「 嬉 」
いや、喜んでる場合じゃないんだ。痛くて、集中できないし、何より飯を食えない。 お、ひょっとしてこれは、いいダイエットになるんじゃないか?
「 嬉 」
だから喜んでる場合じゃない! 何がダイエットだ。 大体、そこまで太ってないんだ、僕は。
ああ、本当に集中できない…集中して、いいケーキを選べない…
このまえ、誕生日ケーキを食べるのを忘れてたんで、一人で腹いっぱい楽しもうと、さっき一人でケーキ屋に行ってみたのだが…
甘いものを俺に見せるな。
自分で行っときながら、あまりの痛みにキレそうになってしまった…
忘れてた…歯が痛い時って、甘いものを見ると痛むのね…
なにがオススメのチョコボルケーノだ。
こっちは奥歯がボルケーノだ。
仕方ない…明日、大人しく、歯医者行ってこよう…
ケーキは親知らずを抜いてからだ。 見てろ~親知らずめ。
お前が抜けて出来た穴ッぽこに、生クリームをギュウギュウ詰め込みながら食ってやる。