★のきらめく、1泊目の夜のこと。。。
呑み会は、夕飯と休憩のあと、夜の8時頃から始まった。
6畳が2間の好きな場所に、好きな格好で、思い思いに座った。
缶入の苦い飲み物、そして誰かが用意してくれた、乾き物のおつまみ。
男女8人でどんな話しをしたのかは全く思い出せないけど、
ほろ酔いで意識がふわっとしてきた10時頃、私は急に泣き出した。
「もうなーんにも分かってないんだから~う~」と泣いた。
このセリフだけは憶えてた。
すると、、、、
「あれ、どうしたの?」 かっちゃんが言う。(君のせい)
「ラッタ?(あだ名)~だいじょうぶ?」 と女子達が寄る。
「あれ、平○って、泣きじょうご? 」 と武ちゃんが冷やかす。
初めてのルビー酒に酔ったとは言え、後輩2人の前でよく泣けたな~私。
多過ぎたルビーが、涙腺を緩ませ、泣かせてくれたんだろう・・。
ただ、私にはセリフを吐き出すだけの、ちゃんとした理由があった。
それは、私の片思いに気づかない、そう、かっちゃんへの文句だった。
ふんなこと、気づくか!っての。
昼間まで明朗だった子が、呑んで訳も分からず泣き出すなんて、
不思議だっただろうな。
するとなんと、無口で涼しい顔で微笑む「クールさん」が、
そろりそろり寄ってきて「だいじょぶ? 外で涼む? 肩、貸そうか・・」
と言ってくれた。「外でも、大丈夫?」と言うだけの、余計のない子だった。
クールさんをちらりと見たら、日焼けと酔いで真っ赤。
そのうち、外のひんやりした風であたまが冴えてきたので、早々に部屋へ戻ったが、
私は、恥ずかしさで 酔が一気に冷めた。なんだったんだ私??
みんな、訳をさぐったり訊かないでくれてありがとう。てか、興味ない??
そして、就寝タイム。男・女は別に部屋を仕切って消灯。
☁曇り空の・2泊目の夜のこと。
みんな、昼間のピーカン照りの海で日焼けして肌が真っ赤。
コパトーンの香りが、漂う。。さてと、
「夕飯の前に風呂へ行こう!」となって、
いざ「女湯」へ! ジュンちゃんと私は、着替えを、
まる開きのローカーの棚のカゴへ入れた。
隣どうしだった。
潮風で汚れた髪と汗をして、湯船へ、ザブ~ン。
「ふう~日焼けがしみるね~ うん、痛いね~」
「夕飯は何だろね? お腹すいたー」
風呂から上がると、脱衣所で、興味のない体重を量って扇風機を浴びた。
女湯も、人がまばらだった。。。
着替えを置いたそれぞれの“カゴ”へ手を伸ばす。
ささ、きれいなの身に付けよう・・
「のど渇いたね~」「オレンジジュース飲みたーい」
何かに手こずってるジュンちゃんより早く、私は部屋着を頭からかぶろうとした、
その時、ジュンちゃんが、言った。
「あれ、わたしの、パンツが無い」と。
「え~、ここへ持ってきたの?」
「うん、持ってきた、白地に花柄のやつ」
それから、足元も、空いてる棚の中も、
丸めた私の着替えの中も、辺り一面も探した。
「おっかしいな。さっき絶対カゴに入れたのに・・・」
「もしかして、私、部屋に落としてきたかな? 」
「男子が見つけて、何だこれって言って笑ってたら、どうしよう、ラッタ~」
と、ジュンちゃんは心配そう。
でも、脱衣所では結局見つからなかった・・・
「とりあえず部屋へ戻る? あとでまた来てみよう」
こうしてジュンちゃんの、パンツは消えてしまった。謎だ。
部屋に戻ると、風呂上がり石鹸臭い男子がさっぱりしてダラダラしていた。
ジュンちゃんと私は、その座敷をさり気なく歩いて、花柄の“それ”を探して回った。
落ちてない。 でも今ここで男子に「花柄の・・・・見なかった?」とは訊けない。
謎は、ますます深まった。いったい、だれが、どこに・・
窓の外を見ると小雨が降っていた。
「洗濯物を取り込まなくちゃ」と後輩が言うと、「あっ、さっき入れといたよ!」
と極上に優しい「徳さん」が目を合わせずにさらりと言った。
「え? ありがと・・・」
昼間、海から戻った女子が手洗いした、水着と下着がピンチハンガーにぶら下がって取り込んであった。女子は絶句して焦ってた。
この時 「私のは干して無くて ヨカッタ」そうつぶやいた私はサイテー。
そして2日目の飲み会が始まった。 もう私は泣かなかった。
「明日帰るんだよね・・・」
「あっと言う間だったね~ バス乗る前に海見てから行こうか・・・」
青春の新島は明日には必ず終わるんだな~。なんだかんだ楽しかったな~。
あの日、武ちゃんの言った誘い文句はこれまた、本当だったな・・
「行っちゃえば きっと楽しいって」って。
「じゃ、今夜は遅くまで飲んじゃおか~」「そうだね!」
「じゃ、ちょっと、トイレ行ってくるね」と、私はひとり席を離れた。
(トイレにて)
「ふ~い、ヒック、ケップ、あ~酔ったな~」
下着を下げようとした、そ、の、時!!!
下げるいつもの親指がおかしい! 感覚が変に、ぶ厚い!
「おーーー! なーーんでーーー?? パンツが2枚????」
「パンツ2枚??」
見ると、私の知らない花柄のパンツがチラッと見えた。
自分のパンツの上に、もう一枚はいていた!
わたしかー!? え、わたしーー!?
私は宝物を発見した気分で、急いで部屋に戻って、
(こそこそ)「ジュンちゃん・・パンツあったよ」ひそひそ
「え?え? 」
急いでトイレで見せると、やっぱりジュンちゃんのだった!
「ラッタ~ありがとう~ はいててくれてありがとう。
ラッタが、はいてて良かった~」
涙目のジュンちゃんにお礼を言われた私は、
_<)」
でも、なんでだろう? どうしてあの脱衣所で2枚はいたんだろう?
私も分からない・
こうして、無事に見つかったパンツは意外な場所にあったのだ。
でも謎は解けなかった。ワケがわかんない。(犯人おっちょこちょい過ぎ)
さて、部屋で呑み直す事、数時間が過ぎた・・・
「へ~、クールさんちって、電気屋さんなんだ~買いに行くよ」
「武ちゃんて、中学ん時さ、バンド組んでボーカルだったよね、
派手なピンクの衣装着てたよね、もう歌ってないの?」
「かっちゃんちって、車屋さんだから、免許とれたら乗りたい放題なんでしょ~?」
などと、思いつきで、ポンポン話した。
「夕べなんで、泣いたの?」とは訊かれなかった・・セーフ(*^_^*)
・・・・・さて・・夜は更けて、飲み会はお開きに。
各々が布団を敷いて、間仕切りの障子を締めて、消灯!「おやすみ~」。
その夜、遅くに目を覚ました、ちこちゃんと、○○ちゃんが
隣の部屋から聴こえてきた数名の「つぶやき」を教えてくれた・・
「でもさ~なんかさ、ひっぱたかれそうじゃん・・?」だった。
(意味は、ご想像におまかせ・・)
優しい男子たちは、あの晩、他にどんなこと話してたんだろうな~
翌朝の帰る日、早起きした男子たちは、朝食前に一足早く海へ出かけていた。
こうして、男女8人夏物語りの旅は、思い出と、写真の記録を残して、終えた。
さて、男性には「こんなこと」起こらないよな~、隣のロッカーとはいえ、
自分のパンツを着けたあとに、友達のパンツをもう一枚なんて、
ないない、絶対ない。 え?まさか、そんな経験がある男性、いますか・・?
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★お礼★
ジュンちゃんシリーズを、最後まで読んで下さって、皆さま、ありがとうございました。
臨場感のために、パ○ツ、をありのまま使いましたが、心苦しかった方々、お許しを・・・(^_^)
ジュンちゃん。ネタ使用のご了承ありがとう(^O^)。
★グループのよさ★
新島の旅行は高校二年で、その後、卒業するまで数回会ってました。
いや~どこまでも平行線のグループ交際っていいですね~。
安全保障が特約で付帯って感じで・・・
★おまけ編★
卒業後 「ちょっと、しばらく卒業アルバムを貸しといてくんない・」と
かっちゃんが言いだして、私の女子高のアルバムと、男子校のアルバムとを交換した。。。
(どせ、男子校で品評会したんでしょ?)
そしてこの、2冊の卒業アルバム、
実は、この交換した日を堺に、33年感、いまだに交換したまま。
もう戻せないな・・(^_^)