まあ、この際、四番をかまっている暇はない。まずは、人のことより自分の事だ。
昔の私なら、もっと、戦意に溢れていたが、いまは、少し歳を取りすぎたようだ。

なにより、気になるのが、先ほど、入店した、女性は、私たちを観察するかのような位置に陣取った。

これでは、すべての行動がみられてしまう。

さきほどは、チラ見程度だったが、今では、立ち上がり、五個のすり鉢の中を、のぞきこんでくるようにすらなった。

集中集中。

外野に惑わされてはダメだ。
そこに、響き渡る、機械音。

[チロリン]

ん?撮ってる?写真撮ってるよね。

まずい。不特定多数が見ることができるsnsに、つぶやかれたりして、実況中継のように、途中経過みたいに、大々的にやられたら、この店の近所のギャラリーが、集まってしまうかもしれない。

普通に考えたら、そんなこと、ありえないが、いま、写真撮ってる女子がどんな、影響力をもっているか、わからない。

防衛本能が、働いたのだろう。

競走馬にムチが入った様に、ペースがあがる面々。

さすがに水ばかり飲んでいた四番も、戦わなければならない状況を把握したようだ。